・サカサマのパテマ ・2013年11月公開映画 ・原作・監督・脚本・レイアウト演出・撮影監督/編集:吉浦康裕 ◇稀に見る秀作!8月に放送したWOWOWの録画を見る。 ◆とても面白かった!(監督も作品も)全く予備知識なく見たので最高度に意表を付かれた。吉浦監督…
監督:新房昭之 シリーズ構成:高山カツヒコ - (ご注意) ◆経験上「読んでいない原作ものの感想」には決して手を出すまいと思っておりますが(だいたい見当はずれの感想になるのよ。。。)、この第一話(だけ?)があまりにワタクシ的にドストレートだった…
◇最終回。 ◆(今にして思えば)作中、第一話から何度も振られていながら、まったく思い至らなかったが、この物語は「銀河鉄道の夜」をインスピレーションの源のひとつにしていると思った。(きっと、既にいろんな人が語っていることでしょうが・・・・) ◇第…
◆サネトシのゆったりした包み込むような男性的な優しい声と柔和な表情と余裕のある動作、しかしそれに相反した皮肉屋で嘘つきで、結構余裕が無い様子。 ◇「抽象の地下鉄線内」で、彼に挑戦的に話かけるモモカとの「世界をめぐる対話」でのサネトシの表情演出…
◆不思議で不安定で、しかし挑戦的なシナリオだよね。・・・原作では、繰り出す推理は間違いだらけだが、社会的にも小説内の存在的にも「絶対に安定した視点」としての存在である「勝海舟」、この翻案では「海勝麟六」を殺人を企てたものとして告発し、「他人…
◆(原作故にこの物語に元来内在されている)人工的な合理、整合を求める推理小説的結構と、前々回からクローズアップされて来た、このアニメーションシリーズのオリジナルな仕掛け、不合理の極みである「ヒトの言葉を現実化する」神のごとき能力。 ◇この回に…
・シリーズ構成・脚本:幾原邦彦、伊神貴世 ・チーフディレクター:中村章子 ・助監督:山崎みつえ ・監督:幾原邦彦 ◆素晴らしい。今まで感想を書かずに実に勿体ないことをしたなあ。。。。。 ◆これは、(きっと)「妄想の強度」により、「世界の結末」を奪…
◆・・・・なんだか今までのエピソードで出てこなかった登場人物と物語の仕組みが当然のように語られて混乱していたら、なんとまあ、このシリーズに先立ち、劇場版なんてものがあるんですって。グーグル先生が教えてくれました。 ◇視聴者を狭めるという意味で…
◆水着の女の子が逃げまどうという程に、B級な映画を撮影している物語世界で意識を回復した主人公結城新十郎。物語で自分に振られた「映画のカメラマン」という役割を違和感を抱きつつ果たしていくが、根本には「真実を全て明かさなければならない」という強…
・監督:水島精二 ・ストーリー・脚本:會川昇 ◆このシリーズは、正直、古くさい探偵小説の結構であり、「無理矢理な推理遊びのための人工的な現実の突き合わせ」という印象が強く、ひいきにしている會川シナリオでもちょと乗り切れない気分がしていた。 ◇し…
・ストーリー・シリーズ構成:日野晃博 ・監督:山口晋 ◆「ヒトサマの商売にケチをつけるのもいかがなものか」と、(作品の現在、行く末とは別に)真っ先に思ったのだけれども、「これはヒドイ」と言いたくて仕方が無くて。・・・・以下、ごめんなさい。完全…
監督・シリーズ構成:米たにヨシトモ 原作:永井豪 ◆このシリーズはかなり好き。永井豪のギャグものらしい天真爛漫な子供っぽいテンションを、テンポの良い画面と音で切れ味よく演出。 ◇一見、「子供っぽい」の一言で片づけてしまいそうになるが、再現(或い…
原作:入間人間 シリーズデレクター:宮本幸裕 シリーズ構成:脚本:綾奈ゆにこ 総監督:新房昭之 ◆恐るべし。・・・原作を読んでいないので、原作がすごいのか、シナリオがすごいのか、監督がすごいのか(人物仕草をつけるコンテか、作画監督か、原画か)、…
シリーズ構成:高木登 監督:中村健治 ◆「特異な異世界空間(劇中「金融街」と呼ばれている。)におけるポケモン的な代理戦争もの」というルックはしているが、その代理戦争は現代の苛烈な経済競争のアナロジーであり、異世界での経済的対決に負けたモノは、…
◇正直、人間が否応無く向き合わざるを得ない<死>という現実に対して、ファンタジーもSFも逃避でしかない。夥しい死の積み重ねと、世紀末から10年遅れてやって来た<私の生きるセカイの破局>の予兆に対して、わたしは慄然と立ちつくさざるをえない。 ◇…
◆「世界の秘密を探る物語」として、ようやく盛り上がってきたかも! この世界における人間の「生」の<現実のレベル>と<仮想のレベル>の往還がこの回ようやく具体的に現れてきて、物語が理解しやすくなったと思った。 ◆ところで、私は、経験を通して主人…
◇(たぶん)結構大胆な世界設定が明らかになった回。これからどーすんだ。 ◆この物語世界で言うフラクタルシステムの支配が及んでいる領域では、現実レベルの「物理実体」の上に、「仮想現実の虚構」が被せられていていることが明らかになった・・・・・とい…
◇ううう、わかんないよう。。。 ◆<フラクタルシステム>が世界を統御して、<フラクタルターミナル>という体に埋め込まれた媒介機を通して、脳を含む身体の五感に干渉したり、人間に多幸感を与えたり、仮想現実を見せたりしている世界。また、逆に人間の自…
◇1話遅れ。 ◆この回の(個人的な)最大の不満は、<星祭り>がフラクタルターミナルを体内に持つ、体制に制御された人間達の主観ではどう見えるのか?どう体験されているのか?ということが一切描かれないことかしら。 ◇この種の題材として、ここがアピール…
◆1話遅れ。 ◆この回はネッサ、ひいてはドッペルの、人間と物理実体への干渉に関して、疑問が山のように出てきましたよう。以下、妄想爆発のダラダラ感想。全然見当はずれやもしれません。 ◆まず、前回てっきり、ネッサは主人公の電脳に寄生していて、主人公…
◇2話遅れ。 ◆ネッサという萌えキャラが登場(私が見た山本作品は数少ないが、しかし山本監督っぽい萌え仕草演出、かつ萌えキャラ造形って気がした。)。しかし、この作品世界でいう、「ドッペル」という仮想的存在らしい。 ◇通常「さわれない」ドッペルなの…
シリーズ構成:岡田麿里 監督:山本寛 ◆気がついてみたら、オシャレアニメ(とばかり思って目の敵にしていた)総本山のノイタミナが、現在のテレビアニメーション(ほぼ)唯一の良心になってしまったと言ってもいいと思う。 萌えの大義名分の元、単なるエロ…
◇素晴らしい! ◆四畳半にして永遠という、みみっちくも壮大な閉塞世界を、日常と隣接した生活感ゆえに狂人めいたゆらぎを感じさせるエピソード群と、異常なパースの実写挿入といつもの湯浅節の動きと構図で、異界感たっぷり、かつユーモラスに描ききった怪作…
◇1話遅れ。◆(自転車にこやか整理軍以外)今までキーワードだけ出てきた、貧乏くさくて日常と少しずれた異形のファンタジー要素を前面に押し出して、それらと全面的に「わたし」が関わる様になるという選択肢の話。 ◆「自転車にこやか整理軍」は原作には出…
◇1話遅れ。三つの選択肢編のその3。 ◆文通相手との顛末は、「巻戻る」に相応しい展開だが、その後がいけない。結局、明石さんと宜しいことになる端緒をつかんだというのに、どこに「巻戻る」動機があるというのかーーっ!ゆるせんっ ◆・・・それはともかく…
◆前回提示された三つの選択肢(現実の酒乱女、人形、文通相手)がクロスする話を途中まで別の視点から語り、途中から(前回は酒乱女を選んだが)別の分岐を選んだら?という趣向。 ◆この回は、人形相手に(最初はおずおずと、最後は全力で)哀切な童貞妄想を…
◆この回は、遊び心と稚気が溢れた湯浅監督流の、メタモルフォスな歪んだ絵的な演出がテンポ良く冴え渡っているだけじゃなく、現実界と象徴界の行き来が自由自在に絶妙なタイミングで表現されていて(たとえば、喫茶店での羽貫さんと「わたし」の対話の最中に…
◇1話遅れ。 ◆ア○○ェイまがいと宗教と自己啓発セミナー。身を滅ぼす地雷属性が混交したサークルに入ってしまった「わたし」の巻。 ◆主人公の落ち込むネガティブな境遇としては、文句なしで、かなり面白かった。ただ、以下いつものごとく超個人的ないいがかり…
◆1話遅れ。 ◆自意識が過剰で世間知らずな主人公が、孤独の余り現実と微妙にずれた、奇態で貧乏くさいファンタジー世界を妄想しまくる、切ない話として小説をうっかり認識してしまっていたので、その妄想世界が毎回1話30分というフォーマットでディテール…
◆1話2話あたりは、原作の濃度がそれなりに高かったような気がしたが、この回は原作の軌道から完全にそれてオリジナルな話。 ◆個人的には、「大学の前半2年を、友達少なく内面に閉じこもって陰々と無為に過ごす」という(私が思っている)この物語の基本大…