■四畳半神話大系06英会話サークル「ジョイングリッシュ」s上田誠湯浅政明c&d夏目真悟g西垣庄子浅野直之総g伊東伸高

◆この回は、遊び心と稚気が溢れた湯浅監督流の、メタモルフォスな歪んだ絵的な演出がテンポ良く冴え渡っているだけじゃなく、現実界象徴界の行き来が自由自在に絶妙なタイミングで表現されていて(たとえば、喫茶店での羽貫さんと「わたし」の対話の最中に、小津の赤いイメージが立ち現れて現実に干渉するかのように演出しているところとか!子供がサッカーボールを保持しきれずにドタバタしているところ、ガラス戸にぶち当たってジタバタしているところとか!)、もう!見ていて心地が良いことこのうえない。素晴らしい!


◇形や動きや場面など、本来的には固定された物に囚われない自由さだけではなく、崩したそれらを絵的に意味付けて配置する手管が素晴らしい。


◆これに、物語のテキパキとした緩急、「わたし」の童貞らしい煩悩と葛藤、それに歪んだフォルムと動きで魅せる羽貫さんのポイントを押さえたエロが、非常に良い具合に相乗して、絶大な効果を発揮しています。


このシリーズの中で、今のところ一押しの秀作回。


◆物語的には、童貞的世界観を頑なに堅持して性的場面から逃げ出す「わたし」が地に足がついているなあ。実に切実だ!


◆◆以下メモ◆◆
・話的には、英会話学校、カオリさんを預かるところ、羽貫さんの酒乱ぶり、「わたし」の文通相手など、原作的な要素をうまく融合。


・「印刷所」がはじめてちらりと語られる。