■四畳半神話大系10四畳半主義者s上田誠湯浅政明c&d_CHOI EUNYOUNG g伊東伸高石浜真史g補佐西垣庄子

◇素晴らしい！
◆四畳半にして永遠という、みみっちくも壮大な閉塞世界を、日常と隣接した生活感ゆえに狂人めいたゆらぎを感じさせるエピソード群と、異常なパースの実写挿入といつもの湯浅節の動きと構図で、異界感たっぷり、かつユーモラスに描ききった怪作。

◆これまで積み重ねて来たエピソードをメタ的閉塞世界から見下ろし、総括し、やがて痩せた内実に対して自尊心ばかり高い「わたし」の辿り着いた絶対的な喪失感が泣けてきます。

◆◆以下メモ◆◆
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「・・・それにしてもどの部屋の住人も如何にも楽しげに見える。決してバラ色とまではいかないまでも、それぞれの四畳半がそれぞれに彩りに溢れているように見える。・・・わたしにもこんな選択が可能であったのであろうか。」

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「それに引き替えわたしは、一人で猥談し、ひとりで妄想を膨らますばかりだ。しかし、それも今や続かない・・・・」