■フラクタル05旅路s大西信介c&d吉岡忍g松尾祐輔

◇ううう、わかんないよう。。。


◆<フラクタルシステム>が世界を統御して、<フラクタルターミナル>という体に埋め込まれた媒介機を通して、脳を含む身体の五感に干渉したり、人間に多幸感を与えたり、仮想現実を見せたりしている世界。また、逆に人間の自我の側から世界に干渉する機会も与えられていて、仮想現実を経由してのコミュニケーションが活発な世界。・・・・そういう世界はコレまでの回で描かれてきた。


◇そして、それに対するアンチテーゼである<フラクタルターミナル>を体内から摘出して、世界の仕組みに異議申し立てをする村人たちが描かれた。


◆物語の対置構造は、<安楽な仮想世界に住まう、思考までも体制に支配されて主体的に生きられない人間>vs<リアル世界で厳しい現実の課題に直面して、それでもなお生き生きと生きる人間>と言ったカンジかしら。


◇そういう状況で、この回の前半でシナリオがやりたかったことはわかる気はする。・・・わかる気はするのだけれども、<安楽な仮想世界に住まう人間>は、はたして<便所掃除>や<衣類の汚れ><洗濯>とは無縁に生きていられたのだろーか?


◇私は、脳と五感に作用して仮想の事物が世界を形作っている描写は見たが、人間の本質・・・生物としての物理的事象、生理的な不自由などに対して世界が干渉している描写を見ていない気がするんですよ。・・・・この俺の目の節穴めっ!


◆あと、<安楽な仮想世界に住まう、思考までも体制に支配されて主体的に生きられない人間>のはずの主人公クレインの造形が、実はとてもまともで、<現実世界で厳しい現実の課題に直面して、それでもなお生き生きと生きる人間>として設定されている(はずの)テロリスト達との人格や倫理観の著しい違いが顕在化しないのも、なんだかモヤモヤするカンジ。(描かれる違いは、文化に根ざした価値観の違いというよりも主義の違いといったレベルにとどまる。)


◇否定されるべき(と現時点演出されている)フラクタルシステムの下で生きているクレインの方が、若干ではあるが、テロリスト達よりもまともに見えるから、これが物語上の狙いなんだろーなとは思った。


◆ところで、この回のBパート。飛行船の動力炉?空調?(劇中、異常の起源だけ語って、何が異常になっているのかをはっきり語らないのがまたモヤモヤ・・・)のトラブルをコンピュータシステムのトラブルとして語るのはいいのだけれども、いったい対策としてコンピュータ的に何をしているのかを曖昧にして突破しようとしている。


◇まあ、この種の題材では一般的にそういうものだし、悪いことではないと思うが、「突破の勢い」が足りず、「なんだかコンピュータのことがよくわからないけど、とりあえず雰囲気だけやっとけっ!」という雰囲気に支配されている昔のシナリオを見ている気がしてきちゃった。。。。。。。きっとテンポとノリの問題。ああ、私には天罰が下ります。


◆◆以下メモ◆◆
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・なんだか良く分からないが、勢いで突っ走れ!
「すごいな・・・改良に改良を重ねたシステムが何層にも重なっている。。。プレ・フラクタルにまでさかのぼるぞ・・これ。さぐりあててもハッキングは一筋なわじゃ・・・」(クレイン)


「古いアルゴリズムでトレースを続ければ、エラーの箇所は必ず、見えてくる。」(じいさん)


「26世紀もののパッチでもだめか。。」(クレイン)


「ノイズ・・・気付いてますよね?もしかしたら、ネッサかも?・・ネッサをとりだした時に現れたノイズパターンと似ているし・・・」(クレイン)
「バカを言うな。古いプログラムをトレースしたノイズだぞ?あのドッペルが古い意思をもったデータだというのか?」(じいさん)


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・飛行船のシステムに潜り込ませたAI?からの画像を見る僧院の祭司長の女。
「見つけましたよ。愛しい娘達。」(祭司長)
「・・・あの子!」(モブの女)
「やはり、娘達はともに。取り戻しましょう!先にあの子を。」(祭司長)


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「だから、ブローチから出さないで欲しかった・・・」(フリュネ)
「どうして?」(クレイン)
「目の前に現れてしまえば、辛くなります。(・・・)僧院にとって大事なのは私よりもネッサなのです。(・・・)だから、あの子をつれて一緒に全てを終わらせたかった。(・・・)愚かな繰り返しを終わらせることでしか、私達には・・・」(フリュネ)