■四畳半神話大系03サイクリング同好会ソレイユs上田誠湯浅政明c&d牧原亮太郎g牧原亮太郎浅野直之総g伊東伸高

◆1話2話あたりは、原作の濃度がそれなりに高かったような気がしたが、この回は原作の軌道から完全にそれてオリジナルな話。


◆個人的には、「大学の前半2年を、友達少なく内面に閉じこもって陰々と無為に過ごす」という(私が思っている)この物語の基本大原則を踏み外し、体育会的自転車サークルを脱落せずに2年泳ぎきってしまった段階で、もうここで描かれる主人公は、わたしの知っている主人公じゃないぃぃ・・・・・と思ってしまった。
「体育会の下っ端として2年間を過ごす」のは、たとえ無為に感じられるとしても、質的に違いすぎるとおもってしまうのは、偏見でしょうか。。。(偏見か!)


◆原作では4話、4回繰り返されるこのパラグラフ
「大学三回生の春までの二年間、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。異性との健全な交際、学問への精進、肉体の鍛錬など、社会的な有意の人材となるための布石をことごとくはずし、異性からの孤立、学問の放棄、肉体の衰弱化などの打たんでも良い布石を狙い澄まして打ちまくってきたのは、なにゆえであるか。」


◇これに対して「責任者に問いただす必要がある。責任者はどこか。」と問いかけるのが、アニメでもやっぱり基本トーンであってほしいよう。
少なくとも、この回の冒頭、2年間のアルバイトの成果であるというロード自転車を盗まれて主人公が吐くセリフではないと思ってしまったのですよ。


◇きっと、この回の骨子を考えたヒトは、リアルが充実した学生生活をおくったんじゃないかしらとか、思わず邪推してしまった。悶々と陰々滅々に、閉じこもって非生産的に日々を送る意義がわかっておらん!体力なんてありえないのですよ!


◆まあ、番組枠が枠だから、毒のない、当たり障りのない物語が求められているというのもあるような気もするけど(明石さんに好かれようと体を鍛える後半の展開は更に輪をかけて毒がない・・・・・)・・・・だけど、ここはこの物語にとって譲れない一線だとおもうんだけどなあ。


◆ところで、「自転車にこやか整理軍」的な日常に混じる少し不思議な存在は、とても良くポイントをついている。ここをもっと強調した話がみたかった。