■電脳コイル18異界への扉s磯光雄荒木洋一c笹木信作d野上和男g秦綾子

◇2話遅れ。
◆イサコは、異界への通路を開くことに成功した。しかし、オバチャンの介入により制御暗号が破壊され、異界への通路が開くタイミングを制御する術を失う。
イサコが「通路」に出会えない一方で、異界を刹那のぞき見たハラケン、ヤサコは・・・・という話に、ハラケンとヤサコの微妙な感情のすれ違いが絡む。


◇制御を失った異界への扉は、ある「要素」が重なると開くらしく、しかしその要素は滅多に起こらないという。だけど、その「要素」が、ヤサコと妹のキョウコの身近に起きて・・・・以下次回というカンジ。


カゴメカゴメの電子音が響く黄昏の横断歩道に佇む「ぼんやりした何か」達を描写する異界のビジュアルが素晴らしい。
捕捉される主体を失い関係性を喪失した亡霊みたいな感じ?
体の芯がない様子で、手の長さが足り無いぼんやりした存在は、本編の健康的なイメージと違い、病的な何かを感じさせて、超好み。


◇この異界のイメージ、今までもつどつど描写されてきたけれども、この回のように「レベルの違う存在が現実世界と接続する」という状況に配置されると俄然輝きを放ち出すような気がしました。


◆ところで、この回でイサコがいつも電話して指示を仰いでいた人間が判明。二枚舌なこの人の目的はいったい。
彼が「先生」と呼ぶ、かって異界への通路を開いたという存在とは誰なのか。


◆◆以下メモ◆◆
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・ヤサコのナレーション
「ネットの噂によると、メガネの設計や開発の過程は、複雑な利権と歴史に彩られているそうです。」


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・ヤサコと電話の相手。
「通路は開いた!リンクは?」(ヤサコ)
「未だ繋がらない。お前は通路を探せ。」(電話の相手)


・電話の相手は更に別の誰かと対話。
「ああ、通路は開いたのだが、リンクは確立し無かった。・・・引き続きモニターを続けてくれ。」


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・異界への扉に足を踏み入れたハラケン。現実世界に戻るものの、ハラケンは、第9話に引き続き、電脳の体と実体がずれる。


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・ハラケンとヤサコ。ハラケンが異界を見た帰り道で。
「一年前ぐらいから、心臓が時々調子悪いんだ。(・・・)この間も隣街の大学病院までいって精密検査して貰ったけど、特に悪いところは見つからなかったって。・・オバチャンはすごく心配してさ。メガネのせいだって言っている。」


・ハラケンのウツウツした様子が素晴らしい。このまま突っ走れ!
「ねえ・・あのときの天沢さんのお兄さんの話。あっちにいったまま帰れなくなるって。・・・ハラケン・・・信じているの?・・・それって都市伝説とか、そういう・・・」(ヤサコ)
「普通、信じないよね。こんな・・・。」(ハラケン)
「ハラケン・・・カンナちゃんに会いたいの?・・・カンナちゃんは可哀想だと思う。・・でも、ハラケンは一年も苦しんだんだし、もう・・・・・ハラケン?」(ヤサコ)
「ヤサコに、なんでそんなことが分かるの?一年前にはいなかったのに。・・・カンナは今もあの場所で助けを求めている。・・僕が埋め合わせなければいけないんだ。信じて貰おうとは・・・思っていない。」(ハラケン)


「もう・・・構わないで欲しいんだ。自由研究なんて、ホントは嘘なんだ。」(ハラケン)



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・サッチーの秘密のコードを漏らしたことを悟ったオバチャンに、ハラケンが述べる。
「カンナを死なせたのは、僕なんだ。・・・最後に喧嘩したとき、僕言ったんだ・・・カンナに。・・いつも僕に頼らずにたまには一人でなにかやってみせろって。・・それでカンナは一人で行ったんだ。・・それなのに、カンナのお母さんに真相突き止めるなんていい顔したりして。僕は・・・」



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・イサコと電話の相手。
「それでも通路は開いたわ。何故リンクが再現しなかったの?」(イサコ)
「通路のことは、僕らも全てを知らない。基本的には先生のやり方を再現しているだけなんだ。」(電話の相手)
「もしかして、暗号が間違っているんじゃ・・・」(イサコ)
「以前もこれで反応があったんだ。この方法で間違いはない。・・キラバグはあとどのくらい残っている?」(電話の相手)
「予定通り、通路を補強するためにひとかけらだけ残してあるわ。それを使えば・・・」(イサコ)
「いや、今はまずい。未だ空間が不安定で、予想外の事態が起こりかねない。・・・空間が安定するまでの間、恐らく今夜中にコントロール出来ない通路が、再び開く危険性がある。」(電話の相手)



「さっきの反応が未だ続いているんだ。通路はキラバグが持つ特殊なリンクがきっかけで古い空間に変質が起こって開く。・・だが、今日のデータではきっかけはキラバグだけではない。・・・何かもう一つの別の要因。・・それに誘発されて通路は開くんだ。・・制御暗号が無い今、どこに開くか分からない・・。」(電話の相手)
「そんな・・・それじゃまた、一年前のようなことに・・・」(イサコ)
「そうはならない。・・この要因自体、滅多に発生しない。・・でなければ、以前ももっと発生していたはずだ。・・・ここは待つんだ。データの蓄積を待って・・・。」(電話の相手)
「ダメよ。もう・・私の為にあんな事が起こるのはイヤ。だからあれだけ用意したのに・・・。」(イサコ)


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・そういえば、ヤサコの幼少の4423の思い出は・・・
「私、この黒い穴。初めてじゃないの。・・見たことがあるの。・・小さい頃メガネをかけてデンスケを探しに行って。・・夢だと思っていた。だけど、絶対何かある。あの黒い穴には何か秘密が。」