■電脳コイル21黒いオートマトンs磯光雄荒木洋一c笹嶋啓一d野村和也d笹嶋啓一g井上俊之吉川真一

◇確かな現実が足もとから突き崩されるとゆー燃える展開。素晴らしい。
◆ここで描かれるのは、二重の意味での現実の崩壊。
オトナ顔負けの苦渋に満ちた憂い顔で、圧倒的な魔術的電脳の力を駆使して男共を手玉に取っていたイサコの見せる小学生っぽい弱気の戸惑い。


◇(これまで、若干は語られてきたけれども)物語を見せられてきた我々のキャラクターの認識変更を迫る急変。物語中の現実としてイサコにかけられていた「対人関係の魔法」がまず崩壊する。


◆ここで劇中の何かが変わった気がする。そして、物語は、返す刀で「イサコが認識している現実」の崩壊を怒濤の勢いで畳みかけるのでした。「世界の中心だった兄」の不在の可能性。


◇これらが二乗して、非常に効果を上げている気がしました。
しかし、可哀想と言えば可哀想な展開だなあ。。。。。だけど、謎のピンクのミゼットを駆使する人物が、影からイサコに語る説明が、正しいかどうかはまだ不明。
イサコの兄の記憶は本当に偽物なのか?、彼女は黒幕から捨てられたのか?、など、今後の展開待ち。


◆ところで、2学期になり、(多分伏線なかったと思うのだけど・・・どうかしら?)いきなり学校が学区統合され、ビルの上層階に校舎が移るという情景は、たぶん、この回以降の展開の位相の違いを象徴しているんじゃなかろうか。
非常に怪しい情景の配置。


◆◆以下メモ◆◆
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・冒頭のナレーション
「メガネの開発の歴史によると、昔は様々な投影技術が研究されていたそうです。」


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・校舎の移転について。
「にしてもさ。普通ビルの最上階に小学校つくる?」
「大黒市の行政は日本で二例目の半官半民なの。・・それで色々変わった政策が多いらしいわ。一説によると、メガマスの系列会社らしいわよ。」(フミエ)


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・ハラケンが未だ意識が戻らない件について、ヤサコとイサコの会話。
電脳コイルという現象・・・電脳体が分離すると意識も失う原理が今も分かっていない。わたしの暗号も昔使われていたものを再現しているだけなんだ。・・・だが、心配するな。電脳体のリンクは綺麗に復元されていた。意識は間違いなくこっちに戻っている。」(イサコ)


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・兄について、イサコがヤサコに語る。
「兄の存在は公式には伏せられている。イマーゴが原因で兄が意識不明になったことは、メガマスにとってまずい出来事だったから。」(イサコ)


「(何故意識不明に?と問われて)そのころのことは良く覚えていない。わたしも一緒に意識を失ったから。あとで一緒にお兄ちゃんを捜してくれるヒトから聞いた。わたしのお兄ちゃんをさらったのはミチコさんだって。」(イサコ)


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・イマーゴとヌルや異界の関係について
「もう、古い空間には近寄るな。通路やヌルはイマーゴに反応するんだ。イマーゴは新しい空間では無効になるから、古い空間にさえ行かなければ、危険はない。」(イサコ)


「どのみち、キラバグを使った方法にはもう見込みはないだろう。・・元々不安定なものだったし、別な方法を探るさ。」(イサコ)


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・イサコは、バックグラウンドだった猫目に今後の相談を持ちかけるが、つれなくされ、ついには連絡がつかなくなる。
「今は動くな。本社と難しい交渉を進めている。」


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・ハラケンの病室で、オバチャンとヤサコの対話。
「キラバグはミチコさんの体の一部が、こっちの世界で物質化したものだと言われてた。」(オバチャン)
「イリーガルがキラバグを蓄積する理由は、今も分かってない。イサコのバックには誰か黒幕がいるのはたしかね。」(オバチャン)


「オバチャン。天沢さんのお兄さんのこと、どうだったの?」(ヤサコ)
「実は確認がとれなかったの。奇妙な点がいくつかあって、病院に問いただしたら、メガマスに聞いてくれって言い出したのよ。この病院も市役所と同じでメガマスに関連のある患者も大勢入っている。・・まだまだ裏がありそうよ。」(オバチャン)


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・ハラケンが一回目をさましたときに書いた「丸が四つ」
・オバチャンに問われて心当たりがないと述べたヤサコだが・・・心当たりがありそう。・しかし、なんだこれ?20話見返しても見つからなかった。


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・異界に入ったのが原因で「バグが蓄積した」とメガバアに説明された病気のデンスケ。彼の横たわる犬小屋に謎のポップアップウィンドウが。
<メモリアルを購入いたしますか?>


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・第16話で、イサコの兄の病室を見たヤサコは、本当のことだったのか分からなくなってきたといい、一緒だったフミエの弟のミゼットが映した病室の画像は消滅。
オバチャンを含めて、脚本的には全員の発言を綺麗にそろえてます。


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・ピンクのミゼットを手下に持つ謎のヒトが、イサコに語りかける内容は真実なんだろーか。
「最近頭痛や目眩がひどくなっていないか?イマーゴは完全には解明されていない不安定な技術だ。・・いろいろと無理のある手段を使っているそうだ。副作用は避けられない。・・特に人の記憶をいじったりする場合にはね。」
「お前の兄はこの病院にはいない。この病院はおろか、この世界のどこにも存在しない。・・お前の兄、天沢ノブヒコは、数年前に死んでいる。」
「お前は実験に使われていたんだ。天沢ユウコ。」
「あれは無菌室なんかじゃない。年代物の立体投影装置さ。・・お前はずっと騙されていたんだ。・・古い空間の調査のため、兄を助けると信じ込まされ、利用されていたんだ。」