■神霊狩/GHOST HOUND 01Lucid Dream-明晰夢-s小中千昭c&d中村隆太郎g岡真里子

◇監督中村隆太郎、シリーズ構成/脚本小中千昭、原作プロダクションIG・士郎正宗
◇これはいい。10月新番のオリジナルアニメ日照りの中で、一点の慈雨。
◇未だ話は転がりだしておらず、主人公を始めとした情景の点描だけだけど、多分面白くなる予感がする第一話。


◆何よりも、地に足がついたゆったりとした日常描写と情景演出がキモ。
最近思うのだけど、ギャグであれ、SFであれ、ファンタジーであれ、荒唐無稽な展開の大前提は、<地に足がついた>リアリティが、その作品の基礎体力としてにじみ出てくることなんじゃないかしら。(・・・なんか当たり前のこと言っている気もするけど。)


◇特に、(この第一話みたいに)日常生活、家族を始めとする近しい人間との関係性、キャラクターの内面設計、土地の習俗や生活、地形なんかが説得力を持って露頭していると、ああ、このシリーズは面白くなりそうだなと思えるし、実際面白い(事が多い)。


そういった意味では、まず、このシリーズの物語的な基礎体力は相当あるような気がしました。


◆そして、そんな地に足のついた日常の合間合間に、主人公の少年や謎の少女が、夢うつつで遭遇する、一切の直接的な説明がない「異常な情景」が挿入されます。(とはいえ、通してみると大体予想はつく作りになっています。声高に説明せずに、セリフと状況を積み上げて語る脚本がポイント高い。)
この異常な情景がどう主人公や謎の少女にからんでくるのか、物語的な引きはばっちりかも。


◆あと、異常な情景に関連した場面で使われる、水分を含んだ、気だるげで内省的な背景音楽がいいなあ。


◇ところで、原作に、士郎正宗さんがクレジットされているけれども、どこに士郎正宗的要素があるのかさっぱりわかりませんでした・・・・