■エルゴプラクシー18終着の調べ/life after god_s氷川成基c松尾衡d米田光宏g伊藤秀樹g協力恩田尚之山田正樹寺田嘉一郎

そこに行けば、自分が何者か分かるという思いで、ビンセントがたどり着いたモスコ・ドーム。そこは、徹底的な廃墟だった。
かって、ロムド市によってモナドラクシー強奪のために侵攻されたのだと、リルだけはデダルスに聞いて知っている。
ビンセントは、記憶を取り戻すよすがもなく、しかし記憶は刺激され、あるいは失望からか、気分がすぐれない。リルとピノが廃墟の都市中央を探索している間、翼船で休んでいたビンセントが見た悪夢は・・・・・・・・


うわー、隔靴掻痒とはこのことですよ。
話が、この物語の中心の仕掛けを、完全にぼかしたまま、その周辺をぐるぐる回っているカンジとでもいうのかしら。
相当核心に触れることを、たくさんばらまいているような気がするのだけど、何一つ確定して語られていることが無く、しかも全てが具体的でない。また、伏線のスパンがひじょーに長くて(だから記憶がかすれていて)、一回見ただけでは、(少なくともワタシには)理解不能でした。
(というか、3回見て、漸くおぼろげに・・・そもそも、この理解で正しいのか非常に不安だ。こんなに曖昧な宙づりで感想書くのは、初めてかも。とりあえず、セリフで埋めるしかないってカンジでしょうか・・・ダメだオレ。)


かろうじて、この回は、(ミスリードだか本気だかわかりませんが)プラクシーワンの正体と、「エルゴ」と「モナド」の関係性についての、仄めかしがメインだと理解したけど、いいのかなあ。リルも最後に総括しているし。
「旅の終着。これまでに多くのプラクシーと出会った。しかし、その誰でもなく、あのメッセージ。そしてふたつのペンダントをつなぐ糸、すべてモナドだった。モナドとビンセントの繋がり、そしてプラクシー。その答えは、きっと、あの場所にある。」



◆以下、我ながら、どうかしているカンジの迷走文章・・・・・
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◆記憶もかすれているので、過去のワタシのメモからちょっと整理してみました。

モナド・プラクシー

  • かって、モスコドームの生命力の源として存在し、ロムド市により強奪された。
  • 今回モスコが廃墟になっているのは、この時のロムド市の侵攻によるものと思われる。
  • 現在は、ロムド市の地下で、拘束されている。デダルスによって、研究の対象となっている。
  • ところで、第1話冒頭、ロムドの地下から逃走したプラクシーは、まだ自分がプラクシーだと意識していなかった頃のビンセントにより殺害されました。ということは、物語開始時点では、ロムド市には、ビンセントを除いて、保護されていたプラクシーが、モナドと合わせて、2体いたってことかしら。モスコドームも最初はエルゴとモナドの二体がいたようなので、ひょっとして、プラクシーは、2体でひと組?
  • 第10話「存在」、リルをロムド市圏の外に逃がして、権限を剥奪されたデダルス医師に、警備局ラウル局長が自分への協力と引き替えに、モナドラクシーの研究を命じるシーン。モナド・プラクシに抱きつかんばかりのデダルスの独白。

「お帰り、戻ってきてくれてうれしいよ。ふふふ・・・私(ラウル局長)の為だと。真の意味などしらずに。すべては君の為だよ。リル・・僕のリル・・・・」

エルゴプラクシー

  • ビンセントの本来?の姿
  • 本来は、モスコ・ドームのプラクシー。記憶を失い、難民としてロムド市で働いていた。
  • 第9話「輝きの断片」で、自ら「死の代理人」と名乗り、ビンセントは、自分がプラクシーであることを直感する。(でも、二つの人格の交流はないみたいなので、実感はしていない。)
  • エルゴは、第9話のカズキス・プラクシーの言及によれば、自ら記憶を消し、「プラクシーとして最も恥ずべき手段で」「逃げ出した。」
  • エルゴは、モナド・プラクシーへ「記憶を渡」すことで、自ら記憶を消した。モナドは「他のそれ(記憶)を吸収すると、その容量に耐えかね・・・」どうにかなっちゃった?
  • しかし、モナドは、「それを覚悟の上で受け入れた」。おそらく「愛していた」からであろうとカズキスは言ってます。

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さて、わかんないのも何だか悔しいし、一週間たつと完璧忘れると思うので、以下、何点か、迷走メモ。
なんだか、まったく無駄な作業、かつ的はずれなことを書いているような気がしてきた・・・・・なにやってんですかね、ワタクシは。


■【1】「記憶の番人」を殺したのは、プラクシーワンでいいんですよね?
・ところで、この回は、ビンセントの悪夢にはめ込まれる形の演出で、「赤髪のプラクシー」と出会う「記憶の番人」の独り言が大変味わい深かった。
・これは、第11話「白い闇の中」のメタな記憶の番人を思い出したけど、こっちは具象的な存在であり、(どこかでつながっているような気もするけど)直接の関係性はないみたい。声優のヒトも違うし。


・赤髪のプラクシー(プラクシー・ワンと呼ばれているヒトで、いいんですよね?)は、「彼の記憶を護っていた」と言っている「記憶の番人」を殺害し、涙を流す。


◆まず、コレは何時の出来事?
①ビンセント達が、「記憶の部屋」へ入る直前の可能性
②何年も前、ロムド市がまだ機能していた頃の話。


・②だったら、さして問題はないのだけど、①だったら、またしても、ビンセントの別人格疑惑が出てきてしまった。
・直前の可能性があると思ったのは、

  • 壊れた「記憶の番人」が、何年もたってから、自律稼働しないんじゃないかなという感触
  • Aパートの最後の方で、リルが支配者の部屋みたいなところで過去のロムドによる侵攻を想像するシーンの後、廃墟を歩む赤いコートの男のカット。ビンセントかと思って最初は気に留めなかったんですが、ここにつく背景音楽と、この直後のカットで暗闇の中、壁を照らしながら「記憶の番人」が「お・・・・鼓動?」とつぶやくのを見ると、この「記憶の番人」の受難は、リル達が訪れる直前に思える。


⇒①ビンセント達と同じ時間軸の直前説が順当でしょうか。。
(というか、こんなところで引っかかっているワタシはオカシイ?だってさ、2回目まで、てっきり別の時間軸かとおもって見てたんだもん。)


◆次は、プラクシー・ワンは、ナゼ、ビンセント達が訪れる直前に、記憶の番人を訪れたのか?
①ビンセントやリルに会わせたくなくて殺しにやって来た。(知られると拙いことがある)
②たまたま、殺しにやってきたら、直前だった。
③直前に、プラクシー・ワンが出現する何らかのイベントがあり、出現したらつい、引き寄せられてしまった。


⇒なんだか、網羅性のない選択肢ですが、必然なく現れるのは座りがわるいので、③か①、若しくは両方。何らかのイベントでプラクシーワンが出現し、殺す必要があって殺したと。


◆プラクシー・ワンは、誰か知っているヒトじゃないの?
①ビンセント第三人格説
②プラクシー・ワンは、プラクシー・ワンだよ。
③リルか、ピノがプラクシーワンだよ。


⇒③は、ピノとリルは一緒に行動していたから、たいぶんない。(・・・・でも、ピノには、14話「あなたに似た誰か」で、二人いるリルやビンセントを誰にも申告しなかった前科があるか)
スリードされているような気もするけど、①ビンセント第三人格説が、有力の気が。

  • ビンセントのプラクシー姿と同じような赤いコートの出で立ち。Aパート最後の様に、廃墟あるいていたらビンセントと区別がつかないす。
  • 記憶の番人の受難は、ビンセントが一人で翼船に戻り、「寝ていた」はずの時間に起きたと想定される。
  • 演出的にも、ビンセントが、眠りからふっとおきた瞬間に、(記憶の番人を殺した直後の)プラクシーワンの涙の感情の残滓が残っていたし。
  • 「記憶の部屋」入室への鍵となる、ペンダントをビンセントは持っていた。(壊れた記憶の番人が持っていたペンダントは、そりゃ、部屋の管理人なら鍵ぐらいもっているでしょうって思った。)
  • 記憶の番人が、自分が蓄積して溜めている記憶の主を間違えることがあるかしら。
  • 「分かれたものは一つにならなければなりません」と、プラクシーワンに述べる記憶の番人。
  • リルが「忘却は、ビンセントのココロの防衛本能だったのかもしれない。しかし、その記憶に真実があるのならば・・・」とピノ相手につぶやいている。
  • 翼船で睡眠からおきたビンセントを見つめるピノが、「なんか事情はわかっている」ようなカンジがした。
  • リルが「(「分かれたものは一つにならなければなりません」と言っている壊れたオートレイブを思い出しながら)それが、ビンセントとエルゴのことなのか。だとすれば、あのオートレイブを殺し、記憶という名の証拠を奪ったのは・・・・」と言って、ビンセントの顔を見るシーンがある。


◆プラクシーワンにとって、ビンセントやリルに、知られるとまずい情報って何かしら?
⇒記憶の番人「あーあ、ここはあなたが、あの方とお会いになった時のことが書かれております。
それでは・・早速・・・・えー、いやいや大丈夫でございます。お預かりした大切な記憶、傷つけるようなことは断じて。断じて・・・何やら面妖な・・・幾たびも幾たびも決して忘れてはならないと、いやいや、しっかりと書き付けたのですぞ・・・幾夜も幾夜もこの記憶を。」
「あの方」ってのがひっかかる。


◆記憶の番人殺害後、記憶の部屋の壁に「Awakening(目覚めつつある、覚醒)」を書いたのは?
⇒まあ、順当に行けば、プラクシーワンしかいないです。


◆誰に向けてのメッセージか?
①ビンセント
②リル


⇒①交流のない別人格の自分へ、目覚めろというのは、分かる気もするし、②第1話のリルの浴室の「Awakening」が、リルに向けて目覚めろと行っているようにも見えたので、それに照応するのならば、メッセージの対象がリルということはあり得る。


■【2】リルが、なんかどうにかなっちゃうんじゃないの?
・リルとビンセントとピノがたどり着いた、この「記憶の部屋」こそ、3人のモスコへの旅の終着点。
しかし、ここで謎は深まり、壁の「Awakening」を一つのきっかけに、真相があると予想するロムドへ帰ることになります。
「旅の終着。これまでに多くのプラクシーと出会った。しかし、その誰でもなく、あのメッセージ。そしてふたつのペンダントをつなぐ糸、すべてモナドだった。モナドとビンセントの繋がり、そしてプラクシー。その答えは、きっと、あの場所(ロムド)にある。」


◆まず、真相を直感して、ロムドへ帰ろうと主張する、リルとは何者なのかが気になる。
①まずは、第1話でリルの浴室に「Awakening」と書いたのはだれだろう・・・・と考えると、リル自身が書いたのではないかという感触がずっとしておりました。(よくあるパターンですもの。それとも、エルゴが先回りして書いたんでしょうか。)誰が書いたにせよ、「目覚めよ」というメッセージの対象は、やっぱりリルだと思うのでした。


②また、第10話のデダルスの、拘束されたモナドへの、抱きつかんばかりの語りかけ。
「お帰り、戻ってきてくれてうれしいよ。ふふふ・・・私(ラウル局長)の為だと。真の意味などしらずに。すべては君の為だよ。リル・・僕のリル・・・・」


③そして、この回の、デダルスが手配して「生産」したと思われる「子供リル」のこれよみがしの登場(デダルスの精神状態がおかしくなっているのを表現しているだけかもしれないけど。)を考えると、リルって、「モナド」から「生産」されたんじゃ・・・・・・と思ってしまった。


④また、この回、復権したラウル局長が、デダルス医師を焚きつけている言葉を考えると、③は、そんなに悪いスジではないような気もする。
「そのとおり、何も変わらない。ならば我々が細胞レベルで変わればよい。君なら出来る。確信しているのはワタシだけではあるまい。文字通り変わるのだ、我々自身を有るべき姿へと変身させてみろ。」


◆そんな具合で、記憶の番人の言葉「分かれたものは一つにならなければなりません。」は、複合的な意味を持っていて、ビンセントは当然ながら、リルとモナドラクシーも、物語的に存在が重なる存在で、モナドがエルゴ・プラクシーを「愛している」とくれば、なんか、リルの、そういう「真の自分」発見方面に行く気もする。



・・・・なんだか、つかれたよ。
あまりにも、わかんなすぎ。


◆◆以下メモ◆◆
・ラウルと、支配者達の対話。ラウルは復権
「ラプチュアの使用が罪なのではない。単なる熱核反応爆弾をラプチュアなどと語りつむぎ、なおかつ封印しつつも温存する振る舞いこそ・・攻められるべき罪だ。」
(過去の過ちを繰り返したことこそが、おまえの罪)


「かってのあなたは神を求め裏切られた。ワタシは違う。我らを救わぬ神など求めぬ。・・ただ、滅ぼすのみ。」
(さらなる破壊を求めるか。)
(地上にさらなる死と混乱をもたらすことで何が変わる。)


「勝者が現れるが故に、敗者も現れる。滅亡が必然だとしても、あらがい続けるならば、ロムドは存在しうる。」
(おろかな。)
(この道を免れるすべはない。)
(破滅への道にあがないきれぬと見て、死に向かうか。)


「静観は、緩慢な自殺だ。絶望という安寧に耽溺するのは易しい。だが!今は変わらねばならぬのです。神を必要としない存在へと。私に絶望はない。」
(あらがう故にロムドはある。)
(ならば、やってみるがよい。おまえのやり方で。)



(ラウルよ。おまえはやがて知るだろう。)
(我らのより深く)
(我らのより悲しい)
(我らの真の絶望を。)


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・過去の出来事。モスコ・ドームの記憶の部屋で、謎のプラクシーを迎え入れて、記憶の番人の独り言。
「おお、その扉を開くことを許されたお方。覚えておりますとも。あなた様をお待ちしていたのです・・・お客人」
「記憶を消し、この地を離れ、何を得たのでしょうか。・・何も得られなかった・・・そうでしょう?」
「ですから、ここに戻られた。」
「おっと、僭越ながら、その時の為に用意されたのがワタクシ、記憶の番人を仰せつかった、このアムネジア。・・・よもやそのことすらお忘れか?」
「・・よいでしょう。分かれたものは一つにならなければなりません。ワタクシが主より預かりました大切な記憶。曖昧になることを恐れ、こうして書き付けておきました。」
「ただ待ち、伝える機械のままのワタシならば、簡単にやりおおせたであろう仕事でございます。
ココロを持つものは正気を保つ為の安全装置として記憶をなくしてしまう。狂うのが先か、忘れるのが先か・・・そうなる前にお会いできてよかった。」
「わかっております。しばしのご猶予を。」
「あーあ、ここはあなたが、あの方とお会いになった時のことが書かれております。
それでは・・早速・・・・えー、いやいや大丈夫でございます。お預かりした大切な記憶、傷つけるようなことは断じて。断じて・・・何やら面妖な・・・幾たびも幾たびも決して忘れてはならないと、いやいや、しっかりと書き付けたのですぞ・・・幾夜も幾夜もこの記憶を。」


「なんてことを!これはあなた様のご記憶。ナゼ戻ってきたのです。なぜ守り続けなければ・・・なぜ・・・なぜ・・・なぜ。」


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・一方、デダルスを焚きつけるラウル局長。あっさり復権して、やることが大胆になってきているのかな。
「我々に神は不要だ。君が怖がってどうする?」
「神を殺したところで何も変わらない。」
「そのとおり、何も変わらない。ならば我々が細胞レベルで変わればよい。君なら出来る。確信しているのはワタシだけではあるまい。文字通り変わるのだ、我々自身を有るべき姿へと変身させてみろ」
「・・・御意。」


・デダルスが「生産」の手配をしたと思われる「子供リル」登場。
「リル・メイヤーの代わりという訳か?」
「代わり?こちらが本物になるんです。」
・ラウルならずとも思いますよ。「・・・・あやういな」
・デダルスは、思い詰めた目で暗〜い表情で、子供リルのツメを切りながら
「君は世界の謎そのものだ・・・他の男にその笑顔をみせてはいけないよ。」


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・ビンセントのペンダントが地下の記憶の部屋への鍵。
「謎のプラクシー」も同じものを持っていました。謎のプラクシーのものは、かって彼が破壊した「記憶の番人」にかけられていた。


・壊れた「記憶の番人」が壊れた機械調で発声。
「分かれたものは、一つにならねばなりません。」
「分かれたものは、ロムドへ・・ロムドへ・・・・ロムドへ。」


・壁に、Awakeningの文字。
「いや、行くべき場所はわかった。残されたこのメッセージ。同じものをロムドで見た。プラクシーであるおまえに初めてあった夜に。」


・「(「分かれたものは一つにならなければなりません」)それが、ビンセントとエルゴのことなのか。だとすれば、あのオートレイブを殺し、記憶という名の証拠を奪ったのは・・・・」


・「旅の終着。これまでに多くのプラクシーと出会った。しかし、その誰でもなく、あのメッセージ。そしてふたつのペンダントをつなぐ糸、すべてモナドだった。モナドとビンセントの繋がり、そしてプラクシー。その答えは、きっと、あの場所にある。」


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・ラウルは、執務室でロムドの夜景を見ながら、ビンセントを幻視し、彼にあからさまな敵意を向けるのでした。
「貴様は滅んだはずだ。立ち向かう象徴という訳か。いいだろう貴様を滅ぼしてやる。ワタシは貴様をおそれん。」