■カイバ07記憶に残らない男s横山彰利湯浅政明c&d横山彰利g伊東伸高

◆うわ、せつねー。
◇バニラは、肉体は亡びても精神は残るという世界で、自前の自分の肉体に執着する自己中世界を持ったナルシストであり(プライドが高く自分大好き?)、しかし、惚れたクロニコの心(中身は男だけどね)は意のままにならなず、その精神は諦めてその肉体を形代として、いわば無理心中。(実際は心中じゃないけど、心理的にはそんなカンジに思いましたよ。)


◇クロニコの中身は転送して助けて、喪な男の自己満足なヒロイズムを満たした上で、空っぽになった人形であるクロニコの肉体に幸せな二人の恋人関係を妄想して満たされる。

しかし、その人形すら、バニラを拒絶する強固な意志表明があって、それを「無かったことにして」妄想を深めて死んでいく様に、ああっ!もう、現実を見ないダメ人間たるワタシとしては泣かずにおれません。


◆しかし、一番可哀想なのはクロニコだよう。とうに精神は消滅していて、存在の唯一の証しだった肉体も、見知らぬ他人と心中みたいな形で息絶えた。
これは、湯浅監督じゃなくても、彼女の象徴的な想い出だった「長靴」で追悼せずにはいられないや・・・


◆ところで、(冒頭ナレーションは主人公をカイバと呼んでいるけど)これまでタイトルロール「カイバ」は、第6話で「記憶を食べる伝説の植物」としか劇中は言及されていなくて、その植物「カイバ」がクロニコの長靴と対比されるように、この回のラストシークエンスでは成長している様が描かれています。
意図はわかんないけど、この植物「カイバ」に絡んで話が転がっていくのかしら。


◆◆以下メモ◆◆
◆あと、この回は、舞台たる水の惑星の設定とそれに密接に関係するバニラとクロニコの置かれている状況が上手く演出しきれていなくて、せっかくのストレートなダメ人間バニラの見せ場を盛り上げ損なっているような気がした。


◇「ヒトビトが死に絶えた惑星都市が意識をもって主人公達を歓待し、やがて・・・」という話と、「ネイロの記憶」と「バニラのエピソード」がどーも上手くリンクしていないなーっと思ってしまいました。


◆◆以下メモ◆◆
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「惑星ネネの月リベラ。独立ザセツ過激派ボーレイの砦。イッソー団って無茶なことするねえ。・・・もうひとっこひとり生きちゃいないけど、街の記憶が死者の記憶をもとどめている。閉鎖されているけど街はまだ生きているつもりなのさ。」


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・「リベラ通り」には、「街の歴史的なうつしが全て展示されている」が、その中に、「主人公カイバ」の姿あり。


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・前回登場のゲルの記憶のコピーを覗く主人公。それはどうやらネイロの記憶らしく。
−ゲルとして惑星ロロの記憶タンクを爆破した記憶
−第1話でも演出された、たくさん陳列されているひょーひょーの一体が無くなっている記憶。
−ポポに指示されてゲルに記憶を移す前に、自分を鏡で見ているネイロの手元にひょーひょーが飛んでいる記憶
−惑星ロロの記憶タンクの爆破は、ポポの指示である記憶「これは殉教だ。ダダ様も喜ばれるぞ。」


−「主人公カイバ」らしい「顔のイメージを黒く塗りつぶした男」と楽しそうな記憶。
−抽象的なワープと、ネイロの父母を含めた虐殺の記憶。
−ワープらしき出で立ちの「主人公カイバ」に殺される記憶。


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・追いつめられたバニラにより、「主人公カイバ」の記憶は、惑星ララの第1話でネイロが寝ていた部屋へ転送。
転送先を指定したのはひょーひょーみたいです。


・バニラは、ひょーひょーの記憶も転送。