■コードギアス 反逆のルルーシュR2 01魔神が目覚める日s大河内一楼c須永司d秋田谷典昭g石田可奈森寛之総g千羽由利子中田栄治

・監督:谷口悟郎
・副監督:村田和也
・シリーズ構成:大河内一楼
・副シリーズ構成:吉野弘幸
◆第一期の時も見ていて思っていたのだけど、話は確かに面白い。ケレンを全面に押し出し、徹底的にメリハリをつけた物語は、毎回必ず見せ場があって強力な引きが提供され、引きずられるように次回をみると、またものすごい勢いで話が進む・・・・
だけど、感想を書いてみると、どーゆーわけか面白くない。


◆実は、ワタシにとっては「(若干語弊があるが)一回だけ見るとつまらないけれども、2回みて、しかも感想を書くと面白い。」というジャンルのものがあって、最近だと「神霊狩」「DARKER THAN BLACK 」「天保異聞 妖奇士」あたりかな。(つまるところ、面白いので、ワタシにとっては面白いという評価。)


◇これらは何かといえば、「不必要に練り込まれた(ある意味)歪んだ世界設定」、「(奇妙な)作家性が発揮されている物語運び」、あと若干例にそぐわないものもあるけど「場面設計への過剰な意思が漲る画面」あたりが共通点かしら。
つまり、作り手に何らかの強い「こだわり」や「意図」があり、それゆえに「何かが歪んでいる」作品。


◇これらは、エンターテイメントとしては、バランスが崩れていて、ひょっとすると1回見ただけではつまらないかも知れないが、熟読玩味すると、面白い事が多い。(物語としては荒削りな場合もあり、最終回に壮絶な肩すかしを食らったりするけど。)


◆翻って、コードギアス。ワタシの感触では、作品がアピールするほどの「歪み」がないんだよなあ。
「日本が植民地となっていて、人種差別も激しく、経済的に搾取されている世界」で、「日本の精神の復興や独立を勝ち取る」とゆー「物騒な物語」が柱のひとつであるというのに、どーも、「不穏な感じ」がまったくしない。


◇特攻隊宜しく水杯をかわして「日本バンザイ」と叫んで見せたり、あからさまな日本人差別を描いて見せているけれども、谷口監督や脚本の大河内さんにとっては、これらは「人目を引くための仕掛け」に過ぎないような気がずーっとしている。


◆じゃあ彼らの関心は何かといえば、「物語の組み立てだけで、如何にヒトビトの興味を引き付け続け、熱狂させるか」とゆー1点のみなのではないだろうか。
一種マラソンにも等しい「ストーリーテリング耐久レース」を如何に完走するか!というのが、(前シリーズを含めて)このシリーズの作り手としてのテーマじゃないかなあ。


◇だから、その周辺に配置される舞台仕立ても、登場人物も、すべて「劇的なストーリーテリング」に奉仕するコマに(ワタシにとっては)見えてしまって、イマイチ乗れないような・・・。


◆とすれば、これはこれで一種の「歪み」。
なので、ワタシにとっても面白いはず。・・・なのだけど、「シンプルでストロングなストーリーテリング」は、一度見る分にはぐいぐい引き寄せられてみるけれども、二度見る気がしない・・・・ってこと、あるでしょう!きっと、コレです。


◇ああ、我が儘でごめんなさい。
面白いんだから黙ってみていればいいのにねえ>オレ