■ブラックラグーンBLACK LAGOON20The Succession_s片淵須直c平木耕一郎d川村賢一g日向正樹アクションgそえたかずひろ

日本編その2。
個人的には、やっぱり、バラライカさんがいい!凍てついた狂気の眼差し、小山茉美さんの上品な、しかしドスの効いた声音。素晴らしすぎる。シビレます。
「・・今夜は本当のことを話してやろう。私が望んでいるのは破壊と制圧。他の一切に興味はない。・・どこまで地獄のそこで踊れるのか、それ以外に興味がないんだよ・・・」


だから、バラライカさんの狂気の所行にあわてふためくヤクザたちも、筋目を通す為に死地に赴く板東さんの仁義の物語も、学校の生活に配置された透明感のある文学少女も、彼女が家業であるヤクザを継ぐことを決意するところも、そんな彼女を守り抜くと決めた銀次さんも、すべて、バラライカさんの迫力ある存在感の前には、かすんでしまった印象。


そんななかで、ロシアに支援を頼むという痛恨の過ちを犯してしまった、ワシミネ組のトップの板東さんが、煮えくりかえるはらわたを押さえつつ、平常心を保とうと、台所に立ち、腹心と二人、ぶつくさいって料理しているのは、上手いと思った。
前回は、組の発展を願うあまり、麻薬などに手を出した外道の人として、仁義一筋の銀次さんと対象的な否定すべき存在として、少々薄っぺらに語られていたこの人が、この回Bパートで仁義のヒーローとして昇華されるためには非常に効果的だった。
バラライカさん暗殺を心に秘め、ひとりドスを懐に忍ばせて、夕暮れの中、飄々と去っていくところなどは、この料理シーンのおかげで、結構な説得力を獲得してたんじゃないでしょうか。


あと、雪緒お嬢さんの、若干おばさんっぽい端正なしゃべりがヨカッタ。
「人ってね、さいころと同じだって、あるフランス人が言ってるんです。・・自分でね。自分を投げるんです。・・自分で決めた方向に。・・・それが出来るから人は自由なんだって。みんな境遇は違ってて、でも、どんな小さな選択でも自分を投げ込むことだけは出来るんです。・・偶然とか成り行きなんかじゃなく、自分で選んだその結果ですよね。・・・・・どうでしょうか?」


◆◆以下メモ◆◆
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・ワシミネ組のトップ板東さんに、もう少し加減してくれと頼まれて、バラライカは高らかに笑う。
「は、は、は。・・・聞いたか軍曹。こいつらまるでわかってないぞ。・・・ロック!しっかり訳してね。いい?」
<板東さん、我々は無条件の力を行使し、利潤を追求する。そのリスクの多くは我々が負担している。・・つまり、全ての決定権はあなた方にはなく、我々にある。>


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・レビィに、喧嘩をふっかけてきたチンピラの、自己中心的で自信満々、だけど、ものすごく思慮の足りない暴力的なバカっぷりが、結構好きかも。やっぱ、ダメ人間はいいです。


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・雪緒お嬢さん、ハイデガーなんて読んでます・・・。
・図書室で後輩から好きな本を問われて。
「そうかな。どんな本でも、たゆとう海みたいな感じなのが好きかな。」
「知識も感情も何もかも呑み込んで、果てしなく広がる・・って言うか、でも、・・どこか現実そのものとは違っていて・・・そこがいいのかな」
・静かな熱にうながされるような、この辺りの声優さんの演技もヨカッタ。どことも知れぬ空間に焦点を合わせてあっちを向き、こっちを向きという作画、演出も。


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・ロアナプラにいるベニーと公衆電話で会話するロック。・・・しかし、JR代々木駅の島式ホームに緑公衆電話がおいてあって、ものすごくヘン。昔も今も、代々木のホームには公衆電話はおいていないとおもうんだけどなあ。


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・代々木駅でばったりあったロックと喫茶店で会話するユキオお嬢さん。
「と・もだちからは、おばさんみたいって、言われます。(・・・)うふふ、じょうだんですよ。」
「人ってね、さいころと同じだって、あるフランス人が言ってるんです。・・自分でね。自分を投げるんです。・・自分で決めた方向に。・・・それが出来るから人は自由なんだって。みんな境遇は違ってて、でも、どんな小さな選択でも自分を投げ込むことだけは出来るんです。・・偶然とか成り行きなんかじゃなく、自分で選んだその結果ですよね。・・・・・どうでしょうか」


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・雪緒さんが、バラライカと敵対しつつあるワシミネ組のお嬢さんであると知ったロックは、バラライカに尋ねる。
「あの・・・バラライカさん」
「あら、なあに?」
「・・いや・・あのう・・・もし、ワシミネ組が協定を破棄する場合・・・」
「ロック!あなたになにか、関係が?」
「いえ・・・」
「そうよね。いるべきところを間違えるのは良くないわ。」


・レヴィの取りなしで、答えるバラライカ
「そういう寝言を言ってきたらという仮定の話で言えば、目標に名前が一つ増える。仕事も何も変わりなく、世は事もなし!・・それだけの事よ。」


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・板東さんは、地下駐車場で、バラライカ暗殺を試みる。しかし、体術でも敵ではなかった。あっというまに、首を決められる。
「ふんっ、・・今夜は本当のことを話してやろう。私が望んでいるのは破壊と制圧。他の一切に興味はない。・・どこまで地獄のそこで踊れるのか、それ以外に興味がないんだよ。・・・・それでは、またいずれ」
首の骨が折れる音。