■ブラックラグーンBLACK LAGOON19Fujiyama Gangsta Paradise_s&c片淵須直d岡本英樹川村賢一g立石聖日向正樹g協力浦谷千恵アクションgそえたかずひろ

日本編その1。
◇この回を見ていて、ロックが物語から浮いているなーと感じずにはいられない私なのでした。
ロワナプラで、血と硝煙と暴力のまっただ中で生きることのなったロックは、ラグーン商会の面々にも、パラライカにも一目おかれている、或いは対等に対話することができる・・・・・・・・なぜだとゆー、感触。
今までの回では、回りの状況の迫力にやり過ごしてきた疑問だけど、この回は、日本が舞台であり、まだ事件が起きる前の、ロックを中央に据えた穏やかな作劇のなかにあってみれば、この疑問がどうしてももたげてきてしまう。


この回でも、バラライカさんに無謀にも勢力拡張の助太刀を頼んだヤクザの組長に評されているように、「キャッチバーなら、まず、カモがネギも味噌もネギもしょって、ついでにコンロも抱えてきた、・・そんな顔やなあ」とゆー出で立ち、そして、外見だけではなく、その精神もまた、大量に提供される身近な死と暴力に抵抗力すらないように見える。


そんな彼が、いままでキャラクター付けされてきたのは「普通さ」「おっとりした育ちの良さ」「平常心」。そんな普通さに少なくともレヴィは、魅かれている様子だけど、ラグーン商会のダッチや、バラライカさんもそうなのか?うーん、違和感があるなーという気がしちゃうな。


そんな「普通な穏やかな人間」なのに、実はその中にあるのは・・・・・・・・・・・・・というのを、ビシリと見せて欲しいです。大満足しているシリーズだけど、(私的には)そこだけが気になって仕方がないのです。
一応、ロックの家族関係のネタ(せっかく日本に帰ってきたのに積極的に身内に会おうとしないとか、ロックに家族仲が悪いと言わせてみたりとか)を振っているけど、はたしてドラマとして結実するのでしょうか。
ロックにお似合いの平和な故郷なのに、家に帰ろうとしないロックに対するレヴィの呟き。
「なんで帰んねぇんだよ、こいつは。・・・ここはこんなにお似合いの場所だっていうのによ。・・・ったく、こいつはよ・・・・」


◇ところで、日本のヤクザの抗争をバラライカ一党がめちゃくちゃに掻き回すとゆー話になりそうで面白そうだけど、任侠モノのフォーマットが、ばーんと、口調から物語の構図からモロに全面に出てきて、私的にはちょっと・・・・と思ってしまいました。
その実力と胆力で回りから一目おかれ、任侠を重んじて精神性においても純粋で一途な銀次さん。
彼の実力を買う、もはや素人衆に迷惑をかけないことを基調とする任侠の時代ではないと、外道な商売に手を染めている、(かって彼が仕えていた親分さんの後を継いだ)組長さん。
・・・・ポリシィの衝突。守る仁義と、守られない仁義・・・・みたいな話が展開されそうで、むー、いつかどこかで。


この生真面目なポリシィを巡る話の中心ポイントに位置しそうなのが、(この回では明言されていませんが、提示された写真などからほぼ確実に)先代の親分の娘さんの女子高校生みたいで、どんな変奏を見せてくれるか期待。


◆◆以下メモ◆◆
・ワシミネ組の組長とその幹部と会談するバラライカさん。その狂気に満ちた凄みのある目の作画がすばらしい。
「我々は、立ちふさがる全てを殲滅する・・・そのために、ここに来たのですよ。」


・ロックの家族を巡る、レヴィとの対話。
「家族仲が良くなくて・・・・アニキは出来が良くて省庁にはいれたけど、オレは結局一浪して普通の会社だ。・・あんまり期待されて無くて、だから案外どうでもいいのかな。」
「でもよ、親は生きてんだろ。連絡ぐらいいれてやれ。・・おまえはまだ手が後にまわってねぇんだ。いましかねえぜ。こんなことやってたらいずれあえなくなっちまう。・・・あたいらから見りゃ普通の家さ。帰れる価値はあるんじゃねえか?・・・盗みもせず・・・殺しもせず、ここまできてんじゃねえか。」


・日本で存在感を発揮できず、バラライカの部隊に助けを求めることになったロシア・マフィアの頭目バラライカへ侮辱の言葉を吐いた彼の頭髪をつかんで机にたたきつけ、掴んだまま仰向けに動けないようにした上で、横からのぞき込むように侮蔑の言葉を投げつけるバラライカさんがステキすぎる。
「忠告だけしておく。私がこの世で我慢ならんものが二つある。ひとつが冷えたブリヌイ。そして、マヌケなKGB崩れのクソ野郎だ。・・・弾にあたらんよう、頭は低く生きていけ!」