■エルゴプラクシー08光線/shining sign_s浅山裕介佐藤大c増井壮一d西村大樹g小森秀人Mg小松英司

幾つかの謎が、現象として提示される踊り場の回かな。かなり消化不良な感じだが非常に面白い。次回を早く見たいな。


さて、漆黒の黄泉の闇を、か細い光を頼りに手探りで旅をし、食料も絶えた、その末に。
ビンセント・ローは、武装オートレイブと、「人工母体」を護る40人程度の小規模な軍隊組織に遭遇。
人工母体を襲うオートレイブ達は何を目的にしているのか?何が統率しているのか?
人工胎盤を護り、兵士が不足するとそこから補充して戦ってきた男達は、ロムド市の存在を知らない。いつからこんなことを繰り返していて、最終的な目的は何だったのか?


これらの回答は提示されることはなく、オートレイブによる侵攻により母体は破壊され、ビンセントが呼び寄せたかのような、死に神の女神が舞い、男達を殺戮するのでした・・・・・


この回、ビンセントの、自分の中で蠢く得体の知れないモノへの恐怖が語られ、そして、「変貌」したらしきビンセントが描写されます。
この辺の、気の触れた女に真実を語らせるという、ケレンが効いた演出が、とっても上手いかも。
・・・しかし、ビンセント、あんた変身していたのかい!って感じで、ちょっと、がっかり。プラクシー、もっと抽象的で、実体のないモノだったらよかったのにな。


◇◇以下メモ◇
・ビンセントは、彼等がどこから来て、いつから戦っているのか聞くべきだったよ。この辺の焦らしが演出なのかな。
司令官は「われわれは、人間は勝たねばならない。君も人間ならわかるだろう。ビンセント」って言っているけど、この状況が、この局地だけで、長い年月の内に戦うこと自体が目的となってしまった組織なのか、それとも今、別の処でも行われているもっと大きな戦争の一部なのか。


・戦う為に兵士が生産される、その小さな軍隊組織で、自分も戦うことを当然の様に期待されていることを知ったビンセント。戦争するためにだけ生産される人間達と自分の違いを感じる。
「なぜだか、縮まった気がした。心をもったオートレイブとの距離が。(ピノとの)二人旅では感じなかった気持ち。俺は、ただ、誰かに会いたかっただけなのに・・・・」


・兵士達が(後述する女性体プラクシー?に)惨殺され、嫌疑をかけられて牢獄につながれるビンセント。その隣で、幽閉された、気の触れた女が叫ぶ。
「段々見える、段々聞こえる、段々つよくなる。そこかしこで。高鳴りの果て、遂に主は訪れる。暗闇に浮かぶ月の光と共に。ゆっくりと訪れる。段々、だんだん・・・・・」
・その女の取り付かれたような呟きに呼応するように、ビンセントの中で何かが蠢く。無邪気に「だんだん」を繰り返すピノが非常に効果的に、ビンセントの焦燥を駆り立てています。
「・・・もしかしたら、自分でも知らないうちに、俺の中の何か・・・・この感覚・・・」


・つまりは、ビンセントが、「ゆっくりと」「訪れる主」であることを暗示しているのかな。
女「ハジマリの鼓動が聞こえる。暗闇に浮かぶ月の光と共に。我らに絶対の時をあたえん。ハジマリの鼓動、高鳴りの果て、遂に主は訪れる、月光の元で。」
ビンセント「いやだ、助けて、変わりたくない・・・何に?・・なにかに、なんにでも!イヤだ!」

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・侵攻したオートレイブによって開放された、気の触れた女は、塔の吹き抜けから落下してくるヘリコプターに乗った「プラクシー」らしき女性体を見て
「せ・ね・き・す・・・・月光の代理人・・・」といってますが、正体を知っていたのか。「セネキス」とはなんでしょうねえ。


・続けて、へりが地面に激突炎上し、炎の中でビンセントが変貌したと思しきプラクシーと、先ほどの女性体プラクシーが闘います。
女は言う「闘いの鼓動が奏でるモノ・・・それは新しい世界への誕生を告げる・・・旋律・・」


・昏い空を背景にした、塔の吹き抜けの空間に、夢の絵のように、シルエットが浮かんで見える、女性体プラクシーと、ビンセントらしきプラクシーの闘い。
女「主は訪れる・・・暗闇に浮かぶ月の光と共に・・・・・美しい・・・・」


・ついには、女性体プラクシーは追いつめられ、ビンセントらしきプラクシーの目から放出される電流が、女性体の「ひとつ目のお面」をとりさると、女の顔が現れるのでした。
そして、その瞳からも放電がなされて、放電により、支配されたかのような描写。やがて、二人のプラクシーからエネルギーの爆発が拡大していく・・・・・


・爆発のあと、横たわる女性体プラクシー。生きているのか死んでいるのか。
女「その・・闘いの後、我らの世界に、絶対の志をあたえん・・・・」


・その女性体が横たわる塔の吹き抜けの廃墟。その髪に相当する部分に散乱するトランプをめくる謎の男。男はジョカーのトランプをひろった・・・・・で、次回。