■エルゴプラクシー03無への跳躍/mazecity_s浅山裕介佐藤大c寺岡厳d五十嵐卓哉g深澤謙二総g小森秀人

この回の白眉は、気の弱い良き市民志望者、ビンセント・ローの変貌。
社会に適応しようと卑屈な努力をして、しかし、適わず、追いつめられて、死に直面したとき、彼は、初めて、自由と自律を手に入れたのだった・・・それとも隠されていた本性が露頭してきたという演出かな。


ロムド市と、外界の死の世界との境界で、追いつめられたビンセント・ロー。
「おれはいつだって、良き市民になろうと・・・自分を殺し・・・取り繕い・・・必死に努力してきたんだ・・いつだって・・どこだって・・・・その結果がこのざまか、できそこないだ・・・俺は。」
「システムを疑うことはなくすべてに従う、それが良き市民の条件。」
「俺は、良き市民にはなれそうもない・・・さよならだ・・・・」
このあと、ビンセントが徐々に顔を上げていく演出は、ぞくぞくするものがある。その瞳には強靱な意志の力がみえる。「オワリ・・・すべて・・・オワリ・・・・」


◇◇以下メモ。◇
・「悲しい・・・・とてつもなく悲しい・・・また、あの夢。・・・・俺は、泣いているのか?・・・・奴だ・・・」「悲しいのに・・・・また、俺は、笑っている・・・・・」「今日こそ、見るんだ・・・後少し、後少しで。」
冒頭、前回の怪人プラクシーから逃げ切ったのでしょうか、ビンセント・ローくんは、人の気配のない電車の中で倒れ伏して、悪夢を見ている。手のひらには血が。
事務所に戻ると、自分の相方であるオートレイブ、ドロシーは、破壊されている。モニタには前回、前々回と登場した愛玩用の子供型オートレイブの映像が出ている。
その場を、警備局の武装オートレイブに強襲されるが、ビンセントは、自分が追われる理由がさっぱり分からない・・・・・・・・って、見ているワタシもなんだかよく分からないよ。
「ぼくじゃない、ドロシーが、武装オートレイブが、ぼくじゃない、やつらだ、罠だ。どれもこれも。」
「なんでこんなことになっちゃったのかな。・・・こんなところにいたら。・・助けてください。僕には頼れるヒトが・・・他には。」


・ビンセントは、、死を覚悟して、「プラグメント」からロムドの「外」へ、逃げだそうとする途中で、子供型オートレイブ、ピノに出会うのだけど、明らかに、何者かの意志のもと出逢い、導かれている様子ですね。
一方、リル監察官は、自分のシャワー室で見つけたビンセント・ローのペンダントの理由を探る為、ビンセント・ローを探している・・・・・


・「プラグメント」で、リルは、ビンセントを見つける。リルの意志に反して、武装した警備局が彼を包囲する時、ピノの何者かの意志が反映していると思われる行動によって、「外」への通路が開かれ、ビンセントは吸い出されていってしまいます。

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ピノに導かれて逃走中のビンセントのつぶやき
「コギトに感染したオートレイブは、やはり同じ逃走経路をたどっていたのか・・・」


・警備局のラウル局長は、ロムドの支配者たちに、プラクシーの捕獲はまだかとせかされている。早期更迭もあるなんて脅されています。。


・ロムドの支配者たちのリル監察官についての会話。
「カンが鋭敏すぎるのだ。」
「市民は全て並列された情報をひな形にしている。局所的近似値に何の意味もない。」
「やはり情報局には配属すべきではなかったのよ。」
「いや、教育的観点から考えても、適切な判断だった。その証拠に、市民レベルとしては最高の感受性を保持している。」
「素晴らしい結果だわ」
「しかし、そこから派生する行動力こそ元凶だ」


「いずれにせよ、このロムドが揺らいでいることは否定できない。」
「一刻も早く自体の解決に向けた迅速な措置を・・・でなければ。」
「レゾンデートルの崩壊、それが唯一の不安因子。」