■カイバ06筋肉質な女s高橋知也湯浅政明c高橋知也JAMIE VICKERSd高橋知也gJAMIE VICKERS

◆「まるで善意のかたまりのような仲の良い老夫婦」という、ファンタジーな存在を、ファンシーな絵柄でありながら、ドロドロな存在に落とす脚本は大好き。今回もツボをつかれました。


◇しかし、性的存在としての汚名は老婦人が被り、ジジイについては、弱く、中性的で、諦めと許容を前提とする「解脱した存在」として描かれているのは、時代・・・ていうか、女性歌手とマネージャーという力関係によるキャラクター性かしら。


◆ところで、(こんな事を書くのは、オレは自分が中学生か!という突っ込みを入れずにはおれないのだけど)「今は澄ました顔をしていても夜には動物としての本源的行動を行っている」ことを顔の表面から隠してそしらぬ顔で社会生活を営んでいる「人間」というものの、社会や人間関係の微妙な成り立ちを、ファンシーなキャラの性的側面を強調することで、実に毒々しく、効果的に表現していたような気がする。


◇また、このメインテーマを補強する材料として、「女性体に入った主人公カイバ」と「男性体にはいった謎の女性」を、生理や立ち小便といった具体的な「動物としての性別」を意識させる場面に遭遇させていて、エピソードの配置の仕方が一本筋が通っているなあと思いました。


◆ところで、この回、記憶を失った主人公の唯一の過去のよすがである「胸のロケットの写真の女の子」、恐らく「テロリストのネイロ」が、今回登場した「ごつい男性体に入った女の子」であることを示唆しているのだけど、第一話では、主人公に付かず離れずの「ひょーひょー」の中身が「ロケットの女の子」だと思わせる描写もあるので、今後の話の転がし方に注目ですね。


◆◆以下メモ◆◆
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・第一話に登場したボボが、「テロリストのネイロ」の体を持つ女の子(ネイロ本人かもしれないし違うかも・・深読みしすぎ?)に指示して、(男性体に記憶チップを移して)アビパの工場やロロの記憶タンクの爆破テロを実行。
「アビパの工場とロロのタンクを爆破した。ダダ様の指示通りに。」(ネイロ?)
「嬉しいよ。我々の希望のために、君は身を捧げたのだ。」(ボボ)


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・ナレーションのみで「カイバ」と呼ばれている主人公は、第一話のボボの言葉と前回の惑星アビパの銅像に喚起されて、(男性体に入った女の子に)自分の名前を「ワープ」と、おずおずと自己紹介しています。


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・婆さんの記憶を食らった「記憶を喰う伝説の植物」の名前として、本編中では初めて「カイバ」の名称が登場。


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・「男性体に入った女の子」が、主人公に語る。
「ワープは私達の敵の名前。世界を住みにくくしている王だ。私の両親はワープに殺され、私も一度ワープに殺されている。・・・奴に閉じこめられた魂を解き放たねばならない。」


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・バニラの上司?のテキトーなキャラデザと、剽軽さを底に持つ恫喝のギャップにシビレタ。素晴らしい。
「認めたな!職権濫用だぞ!女ひとり勝手に乗船させて降格されてるでしょう?・・積み立ても解約したらしいね?・・・記憶の転送もストップされて3日。・・・・落ちていく男の典型的なタイプだよ。下手なことすんな。」