■「紅」(くれない)02溝と流れとs&c松尾衡d信田ユウ小坂春女g小丸敏之

◆やっぱりダイアローグが上手い。
セリフのキャッチボールが、声優さんの抑揚と作画的な演技付けと相乗して、キャラクターがすごく生き生きとしているなあ。


◇驚くべき事にほぼ全登場人物、銭湯の番台のオバチャンに至るまで、このクオリティだから非常に見応え、聞き応えがあります。


◇特に、大人びた言葉遣いをする小憎らしいマセガキ少女の、子供らしい思慮足りない言動がとってもヨカッタ。可愛らしいことこの上ない。
主人公の飄々としたとぼけた様子とのかみ合わなさが絶妙です。


◇思うに、全体として熟考した「非常に短いセリフ」を寄せ木細工のように組み上げて、状況を作るというところに、この作品の美質があるんじゃないかしら。


◆さて、この回は、揉め事処理屋の貧乏高校生(主人公)が、やり手の情報屋の女社長から預かった、大金持ちの実家から逃げている幼い少女と暮らす日常のちぐはぐさを味わうのかな。


◇そんな中に、「揉め事処理屋」としての仕事を嫌々こなす(明言されていないけど、この音楽演出と表情演出だと、嫌々若しくは屈折を抱えてやっているような気がした)主人公の荒々しい日常の一断面が挿入されたり、彼の幼少時の「大災害の中の母親喪失のトラウマ」を挿入したり、不思議な右腕の力をチラだししてみたり、物語的にも非常に面白くなりそうで楽しみ。


◆◆以下メモ◆◆
◇ガキのガキらしさの表現が上手い。
・「飲み物はジュースとお茶があるが、(・・・)御飯の時もジュース飲んでいいのか?」
・TVドラマを見ながら脊髄反射的な無意識に近いTVのセリフの鸚鵡返し「できたよーっ」
・銭湯で番台のオバチャンに牛乳を貰ってお礼を言わず、主人公に叱責されて強情を張るところとか。