■ウルトラセブン12

遊星より愛をこめてs佐々木守d実相寺昭雄特技d大木淳
禁断の欠番12話。
長らく、見たくて仕方がなかった、この回が、YouTubeで公開されていることを知人から聞き、著作権をムシして見てしまいました。ごめんなさい。
youtubeの検索窓から、ウルトラセブンで、すぐ見つかりました。


さて、今まで、期待に反してつまらないとか、凡作とか、の評判を聞いていたのですが、これ、話は置いておいて、まぎれもなく実相寺監督作品の映像クオリティ。食い入るようにみてしまった。
セブンの平凡回(近年見返した18話までと比べての感想ですけど)にくらべて、演出面では、明らかに突出した出来だと思います。
それに、聞いている通り、人権無視うんぬんは、全くなくて(某出版社の巻き添えを食らったと聞いていますが)、これがお蔵入りになっているのは、極めて残念。もったいない。


しかし、Toutubeの画面の小ささ、荒い画像、潰れた音など、音と画面設計にこだわったこの作品について記述するには、ちょっと保留が多くなるかな。


この作品と「狙われた街」が同時に撮影されたという話を聞くと、特に終盤の夕景の巨大な太陽、どろりとした湖、ウルトラホークの旋回の素晴らしい操演、スチールで表現されるセブンとスペル星人の闘い、夕日を背に、飛んで逃げていくところをアイスラッガーでまっぷたつに割られるスペル星人などは、納得のいくところ。


印象にのこったのが、ウルトラホークとスペル星人の円盤の空中戦。光線を互いに発射しながら戦うのですが、光線、飛行の航跡などの画面の動きのベクトルをトレースして、その残像のイメージで、戦闘の手前の画面が埋め尽くされる演出。


また、たくさんの窓状の穴が空いているキューブ状の想像の未来建築風のこの建物はなんなんでしょうか。実際にあった建物だと思うけど、ロケハンの面でも、ポイント高い。


キューブ状の建物の中で、悪巧みをするスペル星人達の闇をバックに背負った光の演出もたぶんいい感じなんだろうけど、小さくて荒れた画面なのでよく分かりませんでした。残念。


やはり、背景音、カメラの工夫した構図、珍しい街中の住宅街での撮影による1967年の日本の空間など、この作品のキモを味わうには、ちゃんとした画面でみたいな。