■ウルトラマンマックス34ようこそ!地球へ後編〜さらば!バルタン星人s千束北男d飯島敏宏特技d菊池雄一Cgid板野一郎

・・・・なんか、こっぱずかしい話だ。子供っぽいファンタジー妄想と、社会派主張の衝突。昔のウルトラの社会派回のテイストが微かにかおる。
現代作品としては、ふ〜んと、スルーしてしまうしかないんだけど、これ、70歳を超した脚本・演出家の作品だと知ると、渾身の一作というカンジがヒシヒシと伝わってくるよ。
あらゆる要素を詰め込みたくて、爆発的に詰め込んじゃったカンジ。しかし、話はシンプルで、お子供様は、お喜びになるんだろうなって気はした。
そして、リクツはどうでもいいんだっ!ていう、突き抜けたノリは好きだな。


◇以下メモ。
・前編は、画面設計をよく考えてあると述べたワタクシですが、後編、あんまりこだわりの画面が見えなかったような気がするのは、普通のドラマ・パートがほとんどなかったせいでしょうか。


無重力状態になった司令室で、宍戸隊長の手ほどきで、ロボ子とコバ隊員の見つめ合うシーンは、う〜ん何?存在を越えたアイの姿を描きたかった気はするが、擦れたワタクシは笑うしかないじゃん。
「優しくだ、ケンジロウ。やさしーく見つめるんだ」
「今度はエリーの髪をなでてやれ」・・・・・


・諺がたくさん出てきて、妙に古くさい。「当たって砕けろ」「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」「瓢箪から駒」「五里霧中」・・・・・「目には目を」。「お茶の子さいさい」は、諺じゃないか。言い回しも古いカンジがするんだな。
・全編、宍戸隊長とか黒部進長官とか桜井おばさんのセリフに、脚本の主張がこもっていて、その重みで、話がゆがんだカンジになってます。
バルタン「その正義はいかなる正義かマックス。正義は強きものにありぃ」
黒部進「違う、断じてちがう。闘いを仕掛けるモノにいかなる正義もない」とか。


・「ふぉふぉふぉふぉ、残念ながら、バルタンの科学ではクローン技術など初歩の初歩、お茶の子さいさいなのだ」
・青空一杯の佃煮バルタンと佃煮ウルトラマンが、リクツはともかく、ビジュアル的に楽しめた。これは楽しいかも。


・子供4〜5人引き連れてきた、善玉バルタン女子高生の前で変身するカイトさん。正体を知られたまま放置するのが、この回のノリ。


・バルタン女子高生と子供達の、銅鐸演奏であっさり戦意を喪失するのは、もうこのノリだと納得するしかないよ。
銅鐸は、バルタンの古代遺跡に残された遺物だそうで。説得力をつけるために3人に独白させてます。
黒部進「この音、チベットを旅した時、山の中の小さな寺で聞いた鐘の音に似ている。あまりの美しさに村人に尋ねると、なごみの鐘といった・・・・」
桜井おばさん「京都の嵯峨野で夕暮れに聞いたような平和な音・・・・」
発明外人の独白は省略。


・バルタンを放置して去るウルトラマン。どうすんだ!とおもったら二瓶さん登場
「ワハハハハハ、こんなこともあろうかと、このようなモノを用意しておきました。名付けてメタモルフォーザー」なんでも本来の姿に戻してしまう魔法の新兵器だそうです・・・ドラえもんか・・・・もう仕方がないよ。止められないよ。


・二瓶光線を浴びて、バルタン、なんだかハダカの若者になっちゃいましたよ・・・・そしてどっかの宗教団体みたいな、ギリシア風のゆったりした布を着た人たちが戯れる海辺の妄想楽園・・・・いっちゃってます・・・ね。


・悪玉も善玉も一緒にバルタン星に帰るのを見送った海辺のラストシークエンス。
前編にも出ていた警官。力強く節を付けて「見た。確かに見ました、本官も。これで地球も大丈夫だ。さらば、バルタン星人・・・・」
と砂浜を歩いていくと、砂浜に埋もれた冷蔵庫やモニターのゴミの山に、被さるゴミ処分場のSE。
・・・非常にらしいラストです。


・ところで、ここまでクローズアップされるこの警官はだれか特別な人なのか?と思いぐぐってみたら、真夏竜さんって、レオの主人公のおおとりゲンだったんだって。あ〜この辺は、名称しかしらないので、思い入れがないかも。Webいろいろ見ていると、レオは、防衛隊全滅して皆殺しになる話らしい、なんか面白そう。


・ただし、ばるるんというのはヤメテくれ