■ソ・ラ・ノ・ヲ・ト12蒼穹ニ響ケs吉野弘幸c&d神戸守g赤井俊文

◇最終回。


◆リアルな世界描写とシビアな戦争の上に、「萌えキャラによる箱庭的な女子寮世界」がひょいと置いてある。・・・・そんな感じ。


◆私などは、滅び行く世界と過去の文明の遺物などの魅惑の描写(これらは、このシリーズの最大の美点)に眩惑されて来たのだけれども、結局、物語を最後まで追っても萌えキャラ達はそんな物語世界に接続された存在ではなかった。


◇萌えを愛する心優しき視聴者と制作者達に保護されて、閉じた小さな舞台の上で、世界を知らず、社会と関わらず、悩みも葛藤も微笑ましい幼子の感情にとどまって、永遠にゆりかごの中で過ごしている・・・・って感じがしちゃったな。


◆最後の二話では、「萌えキャラ達の小宇宙」が物語の背景に設定されたシビアな戦争の現実と激突し、危機に瀕する、そんなドラマが展開される。


◇だけれども、キャラ達の不合理な行動(特に隊長)と、戦争の現実に向き合う行動動機の不明瞭さが、ただでさえ物語の背景世界と分離しているとゆーのに、政治情勢を敢えて語らない演出が裏目に出た「出来事の唐突感」がガッチリとこれを補強してしまっている。
完全に「世界の政治的な動き」と「キャラの劇」が分離してしまっていると思っちゃったのですよう。


◇ただ、そんな中で、唯一、ノエルだけは、物語の背景世界と接続したキャラクター性と、行動動機が描けていたんじゃないかしら。他のヒトビトは、完全に物語世界からういちゃっているような気がしたなあ。。。。。どうしたらよかったんだろうなあ。。。。