■はなまる幼稚園01「はなまる入園式」「はなまるなおかあさん」s小黒祐一朗c&d木村隆一g大塚舞

◇2話遅れ。
◆1月新番組
監督:水島精二
シリーズ構成:小黒祐一朗
制作:GAINAX


◆・・・・・・。
◆えー、深夜といゆー放送時間ゆえでしょうか、かなり不気味な作品になってしまってます。
作品自体にとっても非常に不幸な、監督とシリーズ構成に惹かれて見てしまった私にも−−−恐らく深夜に偶然見てしまったヒトも−−−、見てはいけないものを見てしまったような気持ちを発生させる・・・・・ある意味問題作?


◆まず断言したくて仕方ないけど、この題材と話運びは日曜朝でしょう!!それを深夜に持って来てしまう(もってこざるをえなかった?)製作側は、一体何を考えているのかと・・・・


◆深夜にこの作品を置いてみる違和感の凄さは筆舌に尽くしがたいのだけど、深夜に置いてみて、一番問題なのは、幼稚園児を作品の観察対象、物語の推進役として全面に出しながら(これがそもそも無理筋だと思うーんだ・・・)、そこでは(当然幼稚園児を全面に押し出す場合に必然と考えられる)「現実の幼児の生態観察」を放棄しているのですよ。


◇現実の幼児の実体である「とっ散らかった思考の断片の発露」「集中力を欠く移り気な異世界生物」「我が儘で自己中心的な主張」を語る気は一切無く、この作品では、論理的思考力を持ち、弁えを持った、合理的にコミュニケーション可能な「空想上の幼児」を描いています。・・・・・・ぐあああ、気持ち悪い。


◇言ってしまえば、現実には存在しない想像上の異世界生物、クリーチャーを「幼稚園児」として新たに創造し、それを萌えの文脈?にそって可愛らしく描いている。


◆まず思うのは、必然性が分からない。アニメの世界にせよ、マンガにせよ、小説にせよ、そこに描かれる高校生、大学生、中学生は、現実には存在しえない空想上の存在だってのは基本的に思うことだけども、それらを可愛らしく描いて物語の全面に押し出すのは特に違和感がないのだ。何故かは知らんけども。


◇だけどさ、それを幼稚園児までに年齢を引き下げていくその意味が分からないんだ。それもキャラに付託される「(万人に了解可能な)可愛らしさ」のチューニングを極限まであげて!


◆でも、日曜朝とか平日夕方ならいいさ、たぶん私の違和感は却下される。きっと俺が不純でおかしい。しかし、そうして、これを深夜という時間帯に置いてみると不気味な構図が浮上してくる。


◇設定上は幼稚園児だけれども、どう考えても「空想上の可愛らしい生物」に対して、萌えと呼ばれる想念を寄せる不気味な暗鬱たる一群のひとびとが・・・・・・。(こうして違和感を感じてしまった以上、私もダークサイドの崖っぷちにいるのかもねえ・・・ぐああ。ヤバイ。)


◆とゆーわけで、私の大好きな旧「鋼の錬金術師」の監督(ダブルオーはダメだったけどね・・・)が作っていようと、畏怖の念を寄せるアニメショーンの生き字引である脚本家がシリーズ構成をしていようと、ああ!近寄らぬが吉と、思ってしまったわけです。


◆しかし、どーすんだコレ。救いがあるとすれば、「女性ばかりの職場に男がひとり。・・・・・ま、それも悪くないか」というセンでの話の展開でしょーか。


◇そのセンで行けば、この物語は化けるかもしれないけれども、1話を見る限りでは、まあ、久々にすんごいギリギリで商売している人たちに出会った気がしてしまったよ。ごめんなさーい。