■ソ・ラ・ノ・ヲ・ト04梅雨ノ空・瑠璃ノ虹s吉野弘幸c神楽坂時市d田辺泰裕g愛敬由紀子木村智g協力椛島洋介

◆この物語は、二つに分裂していると思うなあ。
テクノロジーを失い、海を失い、ノーマンズランドと呼ばれる不毛の無人地帯を不気味に背後に背負い、発掘された兵器で戦争をして、(まだ明示はされていないが)どうやらゆるゆると滅びていく世界についての物語と、一方、そこで平和を祈りながら、日常生活に軍隊が紛れざるをえない物騒な世界の中で何故か軍隊に所属する、無垢な少女達が日々暮らしていく物語。


◇この両者は本来ならば、かなり効果的に相乗効果を上げそうな気がする。(これまでや、この回Bパート後半に典型的なように)風や雲や自然を意識した静かでゆったりとした画面作りや、じっくりと仕草を作り込んだ少女達の対話の演出も相まって、ものすごく面白くなりそうな感じがして仕方がないのだけど・・・・


◆だけど、個人的にとても不満に感じているのは、軍属の少女達の精神的な幼さだ。これが、学校的な何かに所属しているとか、市井の立場の人々ならば、この精神的な幼さ、対話の子供っぽさは逆に味になるとおもったりするのですよう。だけどねえ・・・・・


◆軍隊という物騒な組織に所属していることと、にもかかわらず精神的に幼く無垢な少女達であること、これがこのシリーズの終盤に何か炸裂するような仕掛けがあったりするといいなあ。


◆まあ、なんだかんだ言っても、画面作りがしっかりしているから、面白く見ています。それに、そもそもそういうものを求める話じゃなかったりするのかな?すみません。



◆◆以下メモ◆◆
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・この世界では海には生物はいないらしい。
「これお魚ですよね?なんてお名前なんですか?」(主人公)
「魚じゃない。(・・・)それはイルカ。魚より私達人間に近い生きもの。まだ海に生物がいた頃の、海棲ほ乳類。」(ノエル)


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・町で孤児に「人殺し」となじられてショックを受けるカナタ。
「そうだよね。・・・兵隊なんだよね、私達。任官の時にちゃんとパラドールの誓いは復唱したし、分かっているつもりだったけど・・・・」(カナタ)
・この小隊の人々はすべて!上から下まで、普段から軍隊の自覚が無さ過ぎるし、のど元過ぎるとなんとやらで、後半にはこの悩みは薄れてしまうし・・・・うーん。


・↓なんという呑気な会話だろーと思ってしまった。ただ、この辺りが終盤に向けての匂わせではあると思う。
「カナタ・・・僕は機械が好きだ。でも、機械は人を傷つけることもある。・・・タケミカヅチもきっと昔、沢山人を殺している・・・・。昔人を殺した機械はやっぱり恐いと思う?」(ノエル)
「・・・・うん。・・・でももっと恐いのは機械じゃなくてそれを使っていた人達・・・かな?」(カナタ)


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・発掘兵器の補修について。
タケミカヅチの光学センサーのレンズ。・・・アレが本物。タケミカヅチの修復には同型のものが二枚必要だから、複製を依頼した。・・・でも、うまくいかない。」(ノエル)
「(・・・)旧時代の魔法みたいな技術の産物だからなあ・・・こいつは!」(ガラス工房の親方)