■DARKER THAN BLACK -流星の双子-10偽りの街角に君の微笑みを…s岡田麿里c岡村天斎d比嘉直g小平佳幸長谷部敦志
◇1話遅れ。
◆うーん、物語の仕込みが一挙に噴出して錯綜してきたなあ。とりあえず、太い物語のラインとしては、子供子供した女の子スオウが、冷静でぶっきらぼうで乱暴で感情を表さないけれども、優しく感じられ、頼りになるヘイに感情転移(例えば父親に対するような感情)を起こして、「好きだ」という情動に揺さぶられるという、瑞々しい話がひとつ。(これは、ずっと点々と描かれてきていて、演出的にすごく成功している物語のラインだと思った。素晴らしい。)
◇しかし、そんなヘイは、かっての思い人らしい「殺戮者イン」との決着をつけないといけないと思っている。・・・・・あわわ、このセンで行くと、ヘイさんやっぱり死亡フラグとしか思えないよう。
◆もう一つは、スオウのアイデンティティ問題。彼女が、弟である契約者シオンの「コピー能力」によって作られた、8年前に爆死したスオウの「コピー人間」なのだという言明がこの回なされます。
◇「イザナギとイザナミを会わせると、大規模な災厄が起きる」という三鷹文書の予言を考えると、「死せるスオウ」、そしてそのコピーであるスオウ本人こそが、実は黄泉の国の存在である「イザナミ」から逃走する「イザナギ」だった!という展開になるよーな気がした。この回の語りに従えば、スオウは、属性としては、「死(≒イザナミ)」そのものから再生した存在とも言えるのだし。
◆そして、三号機関に保護されている「イザナミ」ことインを追い求める各種勢力の抗争。この回、三号機関のヨウコさんを惨殺したのは、明らかにヘイ同様イザナミの行方を求める存在。
◇・・・・(演出上、物語構成上、ヘイさんが犯人という事はあり得ないので)そうすると、ひとり超有力な容疑者がいるでしょう!物語冒頭からミサキさんに接近し、一緒にイザナミの行方を探ろうと誘いをかけてきた人!触れた物質でヨロイを形成するあの人こそ、真犯人だと、私は、よそーした。・・・・しかし、ヨウコの死体、エグイ絵を見せるねえ・・・少しやりすぎな気がしちゃったな。
◇また、敵味方で言えば、どうやらマダム・オレイユは、ヘイ達の味方、或いはヘイ達を利用して何かを成し遂げようとしている勢力らしい。
◇ヘイ達が、ドールによる観測システムを完備した三号機関に捕まらないのは、どうやらマダムオレイユの双子のドールの力によるものみたいです。
◆◆以下メモ◆◆
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・スオウは、再会した母に拒絶される。
「私のスオウはもう死んでいる・・・・」(スオウの母)
「ママ・・・・」(スオウ)
「呼ばないで!・・・・・汚らわしい!狂ってる!」(スオウの母)
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・マダム・オレイユの双子のドールが、ジュライと協力して、ヘイ達の存在を三号機関から隠匿しているという描写。
「内緒だよ」(ジュライ)
「僕たちのことは」(オレイユの双子のドール1)
「内緒だよ。」(オレイユの双子のドール2)
「臨海地区のシステムに同調ノイズ発生!・・・観測確率が著しく低下しています。(・・・)観測網に小さな穴を多数確認。」(三号機関のドール観測システムのオペレータ)
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・顔ではなく、足首でスオウの母親を認識するマオは、なんというフェチなんだ・・・・・・というか、これ、ギャグではなくて、しっかりと物語に組み込まれていてびっくりした。なんという強引な語り。
「あの女には二度あったことがある。一度目は池袋、そして二度目は・・・「組織」に入り、契約者として向かったモスクワの大学でだ。」(マオ)
「博士は組織である研究をしていた。・・・・だが、その全貌を知るものは一握り。・・・俺は別の派閥からエージェントとして雇われ、博士の研究室へ潜入した。」(マオ)
「・・・だがなあ、その時には組織内のいざこざも、引き返せないところまで来ていた。・・・・俺ははめられたのさ。あの日、あの場所で。」(マオ)
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・三号機関のヨウコさんに、インの居場所について薬物尋問をするヘイ。よーしゃないよう。恐いよう。
「応えろ!・・・インはどこにいる?」(ヘイ)
「イン?(・・・)・・・イザナミ?・・・・・ダメ・・・イザナミを・・・イザナギと合わせては・・・」(ヨウコ)
「何故だ?」(ヘイ)
「大きな・・災厄・・・真と・・未来の・・・記憶を・・持つ老婆・・・彼女が・・記憶していた・・何通りもの・・未来!」(ヨウコ)
「世界は・・走り出している・・三鷹文書に記された・・恐ろしい・・記憶に・・そして・・そして!・・ハヅキさんをお守りしなければ!」(ヨウコ)
「イザナミは・・契約者を・・・殺す。」(ヨウコ)
「ジュウハチコ・・・ケンキュウトウ・・・止めないと。・・・止めないと。・・・ハヅキさんが・・・・」(ヨウコ)
「・・・・俺が止める」(ヘイ)
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・ヘイが三号機関のヨウコを尋問した場所に現れたマダム・オレイユ
「おまえとは手を切ったはずだ。」(ヘイ)
「あなたは立派に役目を果たしてくれた。」(オレイユ)
「・・・なに?」(ヘイ)
「あの子を東京に連れてきてくれたじゃない?・・・でも、手を離してしまうなんて!・・・大宮での事件。弾丸が見つかったらしいの。・・・左利き用に改造された対戦車ライフルも。(・・・)可哀想な赤い星!・・・三号機関は彼女をどう扱うつもりかしら?」
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・スオウの母の、8年前のスオウ死亡の際の回想。
「爆発の後、私はスオウを捜した。・・・走って、走って。・・・そして、スオウの遺体をMEにかけようとする彼(パブリチェンコ博士)を見つけた!」(スオウの母親)
「シオンは、私についてくることを選ばなかった。・・・私はスオウの遺体を火葬し、遺骨を持って日本に帰国した。・・・そして、・・今日・・私の前に・・スオウが!・・いいえ、あの子の偽者が現れた。(・・・)スオウにそっくりだった。伏し目がちなところも、色素の薄い唇も。・・・・・・まるで完全なコピー。きっと!シオンの能力が!・・・あの人はスオウを愚弄した!・・・狂って。・・・あの人の心の歪みが生み出したモンスター!」(スオウの母親)
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・水槽のミニチュアな鯨を見ての、スオウの弟シオンと、父パブリチェンコ博士の対話。
「おまえの能力か?」(パブリチェンコ博士)
「うん、ついでにコピーしてみた。随分小さくなっちゃったけどね。・・・喜んでくれるかな?スオウ。」(シオン)
「何を?」(パブリチェンコ博士)
「僕たちがプレゼントしたニセの記憶さ。・・・水族館での家族との一日。」(シオン)
「真実を知れば、余計に辛くなるはずだが。」(パブリチェンコ博士)
「あの子は痛みを知らなくちゃいけないんだ。・・・・スオウの痛みは何色だろう?・・・弓張り月の・・・オレンジだ。」(シオン)
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・ヘイに感情転移したスオウが、ヘイに胸の内を訴える。
「お願いがあるんだ。(・・・)あの時みたいに、・・・呼んで欲しい。(・・・)「撃つなスオウ。」・・・あの時みたいに、僕の名前を呼んで欲しい。」(スオウ)
「・・・何故?」(ヘイ)
「お願い。」(スオウ)
「俺はおまえのことしか知らない。・・・コピーもなにも、俺にとってのスオウはおまえだ。・・・スオウ。」(ヘイ)
「どうして?・・・涙がでるの?・・・あんたが信じてくれれなかった時、痛かったんだ。・・・殴られるより、ずっと、・・・ずっと痛かったんだ。・・・良く分からないことだらけなんだ。あんたが僕をスオウって呼んだ時、嬉しくなって。・・・でもそれがインを助けるためだって知って。・・・もやもやして。・・・あんたは僕のパパを殺した。・・・ろくでなしで、暴力ふるって、大酒飲みで、最低な奴で・・・・なのに、離れていたら寂しくなって、・・・・どうしてこんな気持ちになるんだろう?」(スオウ)