■DARKER THAN BLACK -流星の双子-07風花に人形は唄う…s大西信介c&d金子伸吾g石井百合子

◇4話遅れ。
◆人間と比べて、感情が希薄化し、感情に左右されない合理的な判断が可能だという「契約者」に対し、感情一切が消滅して、人格の存在すら危うい「ドール」。


◇演出上、完全に割り切った描写が出来る「ドール」に比べて、「契約者」という設定は、人格も感情も程度に応じて残っているだけに、パラメーターが多く、極めて微妙で腑に落ちにくいなあ。


◆「契約者」という設定属性に対して、「精神のあり方」という形でアプローチしようとしている脚本、監督はチャレンジャーで素晴らしい。
だけども、見ているワタシなどは、一意の「精神のあり方」の特徴を抽出することはとても難しくて(たぶんこれも意図的なんじゃ・・・)、「契約者」が登場するたびに混乱していくばかりであります。あーっ、腑に落ちないっ!気になるよう。


◇ただ、「契約者」それぞれに、千差万別の「超能力」と「対価」という超便利なキャラクター識別のツールが付いてくるから、忍者もの風に描かれるそれらの対決を楽しめばいいっちゃあ、いいのだが・・・・きっとこの作品の真価は、契約者という精神態度を描くことにあるに違いないと思い、それを理解できない私はなんなのかと思い悩むこのごろなのでした。


◆この回を見て思ったのは、物語が「感情の希薄化」と語っている中には、「<喜怒哀楽>自体の希薄化」と「<感情のブレ>の希薄化」のふたつの方向性があるんじゃないかなと。


◇この回登場の変態殺人狂の契約者は、「<喜怒哀楽>自体の希薄化」はあまり進行せず(<喜>のみ残って<怒哀楽>は希薄になっているのかも)、「<感情のブレ>の希薄化」が進行した。
つまり<喜>という感情は残るが、<喜>という感情によってブレない「合理的な判断」ができるようになったのではないかなとか・・・・思ってみましたが、どうでしょうか。


◆物語は、北海道から東京に向かおうとするヘイ一行が、逃がし屋に騙されて、ジュライを人身売買目的に奪われる展開。ドールのはずのジュライに感情の萌芽が、契約者のはずのスオウは、感情と無感情の間を揺れ動くのでした。


◆◆以下メモ◆◆
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・死んだはずのパブリチェンコ博士の謎を巡ってロシアの諜報機関の問答。
「秘密の通路、隠し部屋・・・すべてパブリチェンコ博士が息子の存在を隠し、また万一の場合は速やかに逃走できるよう周到に計画していたものです。」(部下)
「戸籍を操作した痕跡もある。・・それも二度に渡って。そこまでして長男の存在を隠していた理由は?」(ロシア諜報機関の長)
「・・・分かりません。彼が極秘に行っていた研究と、あるいは関係が。」(部下)
「報告書にあった「MEネットワーク」とかいう戯言か?・・・そんなものが実現可能なら俺もおまえも商売あがったりだ。」(ロシア諜報機関の長)


「・・・何もかもが曖昧な話ばかりだな。パブリチェンコの遺体の件も。」(ロシア諜報機関の長)
「DNA鑑定の結果、間違いなく遺体は本人のものだと証明されています。」(部下)
「だが、「MEスクイーズ」によって抽出できたパブリチェンコ本人の記憶は、たったの一日分だ。・・・これはどう説明する?どちらかの分析結果が間違っていただけのことか?」(ロシア諜報機関の長)


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・三号機関課長と黒幕らしい和装の爺さんとの茶室での対話。
「多少の計画の狂いはありましたが、イザナミは確保いたしました。」(三号機関の課長)
「相手は確かにイザナミを消そうとしたのだな?」(和装のジジイ)
「そういう動きに見えました。どこから情報が漏れ、どこの組織が動いたのか、現在調査を進めております。」(三号機関の課長)


イザナギの父親(=パブリチェンコ博士)が既にこの地にいるという情報の真偽は?」(和装のジジイ)


三鷹文書に記されていた刻限まで遠くはない。・・・急がねばならぬようだな。・・・月の出ぬうちに。」(和装のジジイ)