■空中ブランコ01空中ブランコs石川学c角銅博之中村健治d波多野浩平g橋本敬史草間英興◆10月新番組

シリーズ構成:石川学
シリーズディレクター中村健治


◆ベースとなる舞台的な演出のアニメーション世界に、実写背景、実写人物、実写小道具、リアルタッチ作画、平面キャラなどをデフォルト状態で挿入。
それらによる異化作用と、原色の乱舞、特異なカッティング、そして登場人物の相貌をコロコロ変える演出により、猛烈なカオスを導き出し、ドライブ感のある一気呵成な語りおろしを狙ったと思ったのだけど・・・・・うーん。


◇一番の問題点は、「アニメーション」が「実写」に圧倒的に負けている画面じゃないかしら。
動かないのは罪ではないが、人物がほとんどアニメーションしない上に、人物のフォルムが「止め絵」で映えない。しかも、なんたることか、動かしても映えないのだよう。硬すぎる。(決して登場人物がおっさんばかりだから映えないと言っているのではないです。湯浅監督のようにおっさんでも魅力的に表現することは可能でしょう。)
肝心の空中ブランコのシークエンスの人物フォルムの作画的な座りの悪さが象徴的。難しいなあ。


◆あと、同じような演出指向で、止め絵を多用するとなると、新房昭之監督を連想するけど、新房監督との比較で気が付くのは、すべからくひとつひとつの画面構成が平坦なこと、画面の移り変わりによるリズムの創出に失敗していること。


◇あと、萌えもないか!・・・だけど、キャラクター的な萌えを除いて考えてみても、新房作品に比べて、画面に吸引力がないと思っちゃった。


◆挑戦的な切り口の演出が主役の作品だけに、次回に期待。ところで、やっぱり新房監督ってすごいんだな・・・