■キャシャーン Sins 15死神ドゥーンs高橋ナツコc&d山内重保d助手中山奈緒美g馬越嘉彦

キャシャーン Sins
◆この回のモチーフは、消え入ろうとする生命の炎へ薪をくべる話であり、瀕死の「死神ドゥーン」はリューズのとある言葉に生への執着を奮い立たせることになるわけだけども、その前段であるドゥーンの、ぼろぼろになった瀕死の断末魔の様子がものすごい。


◇いまだかって、全編の半分ちかく、ヒト(ロボットだけどさ)の悶え苦しむさま、絶望が今まさに打ち勝とうという様子をダークに延々と演出し続けた話があったでしょうか。(・・って、毎回同じこと言っているような気がするよう。)すごいなあ。この回も見応えがあったよ。


◆ただ、ルナの忠実な崇拝者であった「死神ドゥーン」の、地に這いつくばった惨めな滅びの様、末期の様子を、キャシャーンとリューズが、その様を目前にしながら、対象として突き放した様子で観察するかのように対話する・・・・というキャラ配置がちょっと違和感が大きかったような。


◇なんかねえ、前半は延々とおっさんがほとんどセリフもなくもがき苦しみ続ける話なので、状況を説明しないと間が持たないかも?という恐怖感には共感するけど、この回について言えば、もうキャシャーンもリューズも出さないで、ドゥーンだけで、しかもセリフ無しで勝負するともっと素晴らしい話になったのではないかなあと、生意気に思ってしまいました。ああ、不遜だ。すみません。


◆また、この回は、幼きリンゴの、死への過程が確実に進んでいる様子(自発的な呼吸が困難になってきているらしい・・)が、無邪気な強がりと健気さと共に演出されていて、あー、オレに泣けっていうんですかっ
「あのね、オージ!リンゴのしたいことはね、・・オージの、望みを、かなえることだよっ。」


◆◆以下メモ◆◆
・とうとう、キャシャーンによって殺されたはずの「ルナ」と外見上は同じ人物が、生きて話すシークエンスが出てきました。
「今日もまた・・・生きたいと願う人が集まってくる。・・・自ら、滅びに向かう人もいる・・・」