■キャシャーン Sins 13過去は目の前に満ちるs小林靖子c&d木村延景g奥田佳子総g馬越嘉彦

キャシャーン Sins
◇1話遅れ。
◇この回は冒頭登場するモブなロボの朽ちていきつつ「ルナ信仰」にすがる様子、無邪気なリンゴの微笑みに現れた赤錆び、マッチョなはずの元世界の支配者ブライキングボスのしおれた様子など、死と滅びに満ちた終末世界ならではの、目を背けたくなるような自己消滅への絶望、寂寞感を視聴者に印象づける演出が特徴的かなあ。


◇中でも、濡れそぼったブライキングボス、リューズ、オージ、キャシャーンの焚き火を前にした無言劇、ブライキングボスの命令でルナを殺した事実が明らかになり殺戮兵器たる自己の存在意義に絶望して狂人と化したキャシャーンの悶絶と殺戮衝動(虚ろとなりつつ狂気を宿した瞳の、デフォルメされたワイルドな描線の画面演出が素晴らしい!)あたりが特によかった。


◇かーっ、この陰々滅々!もー、大好きだよ。堪らん。鼻血が出る。なんて素晴らしい脚本と演出なんだ。ツボすぎますよ。


◆◆以下メモ◆◆
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「あのルナが生きていた・・・」(レダ
「ロボットにも人間にも等しく癒しを与えるか・・・同じだな。かってのルナと。」(ディオ)
「そう。ただあのころには、滅びなど無かったけど。」(レダ
「あの時、何故ブライキングボスがルナ抹殺を命じたのか、理解する気もなかった。」(ディオ)
「でも今のあなたにはわかるはず。・・・王者はひとりしか・・存在できないと。」(レダ


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「そうだ。その先生(オージ)がキャシャーンを作った。」(ブライキングボス)
「かつて。思い上がったロボットは神になろうと・・・・いやあ、もっと馬鹿げたことに神を作ろうとした。」(ブライキングボス)
「永久の命じゃねえ。そんなもんはとっくに手に入れたからな。医学の進歩とやらで人間達でさえ、死ぬなんてよっぽど運の悪い奴だったが、・・・・ロボットには逆立ちしたって出来ねえことがある。・・・・子孫を作ることだ。」(ブライキングボス)
「子孫を残せて、初めてロボットはヒトを越える。神になれる。」(ブライキングボス)


「理論的には出来るはずだった。・・・体の組織からして従来のロボットとは違う。体内で自らの細胞を増殖させる男型と、それを体に受け入れて一つの生命体として完成させる女型のロボット。・・・それがキャシャーンとディオ、そしてレダだ。」(オージ)


「だからキャシャーンは不死身なの?」(リューズ)
「いいや、それはわしのせいではない。・・・結局三体とも失敗作だったからな。・・・しょせん、強靱な肉体を持った殺戮兵器としてしか使い道はなかった。」(オージ)


「不死身になった理由はわからん。・・ルナを殺した後のことだろう。」(オージ)
「そうだ。ルナ!・・・あの女が現れた時から、全ては始まったのかもな」(ブライキングボス)