■キャシャーン Sins 07高い塔の女s吉田玲子c&d山内重保d助手中山奈緒美gとみながまりレイアウトg補佐西位輝実中村章子馬場充子総g馬越嘉彦

◆滅び行く世界で、新しいものを創造しようとする女ロボ、リズベルの話。
◆最終的にその行為を肯定的に捉えるストーリーになるのだけど、自分自身をも含む世界全てがボロボロと崩れてく中で、その前向きな精神を保つためには強い執念が必要であり、それは実は狂気と裏表にならざるをえないと、きっと語っているんだろうな。


◆リズベルがキャシャーンを彼女の創造物に取り込もうとしていると判明する中盤までの展開は、彼女のあくまで静かで理知的な物腰の中に潜む妄執みたいなものが、上手く演出されていたのではないでしょうか。


◇彼女とキャシャーンとのゆったりとした暗鬱な対話の上に演出される、彼女のいっちゃった感じの瞳や、憑かれたようなセリフまわし、そしてキャシャーンに静かに抱きついてその肉体をなで回したりする等の微妙に「正常とずれた感じ」がスリリングで思わず引き込まれてしまいました。毎度のことながらこの細やかさが素晴らしい。



◇結末的には、彼女の「妄執」は成仏する形になるのだけど、しかし、結末の彼女は余りに透明すぎて、気が違ってしまったようにも見える・・・・というのは、ちょっとオレ解釈すぎますかね。


◆ところで、キャシャーンは前回の話をターニングポイントとして、自らのアイデンティティ探索というミッションが与えられたので、ちょっとキャラが変わってきているような気がします。


◆◆以下メモ◆◆
======================
「でも、あたしは何もせずに、ただ朽ちていくのはイヤ。・・・やなんです。」(リズベル)


======================
「世界は滅びに向かっているのに・・・どうしてこんなに美しいのかしら?」(リズベル)


======================
「あなたも美しい鐘の一部になるのよ。どうせ、あなたもやることなどないんでしょ?・・だったら、鐘になりなさい。クズのまま終わるよりいいでしょう?」(リズベル)