■キャシャーン Sins 06運命との再会s上代務c&d伊藤尚往g奥田佳子総g馬越嘉彦

◆誰も傷つけたくないが自分が存在すると自分の周りに災厄をまき散らす。そして世界が滅びつつあるのは自分のせいだと皆が言う。であれば、自分が消えるしかない。だから殺してくれと、これまでの回で何度も言っているのに、殺されそうになると自己保存本能が発動し、相手を叩きのめし殺し、あまつさえ傷は復元するという呪われた運命のキャシャーン
キャシャーン・・・。あんた、いつも争いの中にいるのね。」(リューズ)


◇この回は同じ主題を更に反復したあと、一歩違う方向に踏み出します。自分とよく似た姿、能力のディオとの問答と戦いをきっかけにして、キャシャーンはウジウジと非生産的に内攻するのをやめて、自分自身が何者なのかを知りたいという衝動に突き動かされていくようになるのでした。


◇ただまあ、キャシャーンの世界への加害者意識ゆえの自罰行動が、発言の割にはひどく受け身で中途半端なこともあって、この回は同じモチーフを繰り返すところが若干くどいと感じてしまいました。
これまでの回とは違う、もっと徹底的な自己破壊衝動を見せてくれると、シリーズ通しての一つの転換点としてすごく盛り上がったんじゃないかしら。



◆ところで、キャシャーンの過去を知っていると述べるディオが、キャシャーンの命を奪いさえすれば「世界の滅びを止めることが出来る」という根拠が、「死んだキャシャーンの体を調べる」ことだったりするから、なんというか世界の秘密について何にもしらないという肩すかし感が・・・若干ありました。キャシャーンの旅はまだ途中なんですね。


◇ディオとキャシャーンの戦いは、流麗でとても美しかった。見どころ。


◆◆以下メモ◆◆
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・ディオがキャシャーンに語る。
「お前がこの世界とどう関わっていたか、教えてやる。・・・ロボットにとって人間など敵ではない。人間共を駆逐し、入れ替わるようにしてこの世の支配者になった。・・頂点に立ったのが、ブライキングボス。・・・それも、ルナの死をきっかけに破滅へとむかった。・・・・滅び。俺たちもそれに逆らうことは出来なかった。」(ディオ)


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・ディオとの戦いが終わった後、体が再生したキャシャーンとオージとの対話。
「あなたは・・・僕のことをしっているの?・・どうして僕は、こんな体に・・?」(キャシャーン
「そんなことは、知らん。・・だが、噂じゃルナも不死身だったそうだ。・・殺しても死なない相手を殺したんだ。その呪いを承けたのかも知らんな。」(オージ)