■キャシャーン Sins 04滅びの天使s高橋ナツコc&d山内重保d助手中山奈緒美g馬越嘉彦

◇ああっ、もう堪らないな。しびれるな。麻薬的な魅力。
◆このシリーズは実に寡黙で淡々としているけど、滅びつつある荒涼たる世界と、陰々滅々とただひたすら暗く悩み続けるキャシャーンの生み出す切実感が、実に、まったく味わい深い。


◇表面張力いっぱいに緊張を讃えた画面から目を離せない感じでしょうか。話は対話だけで構成されて、ほとんど劇的な展開がないのだけど、これだけ集中して見てしまうのは演出と脚本のワザなんだろうな。すごいや。


◆ことに、この回は先が読めないこともあって、固唾をのんで見守ってしまいました。視聴者には言動容姿ともに可愛らしい女の子ロボとして提示する「滅びの天使」ソフィータが、そのビジュアルと裏腹に共感不能のキャラクター!
見ていると予想される結末はあるのだけど、見事予想を裏切る展開となります。


◆生の実感を求めて荒涼たる世界で滅び行くロボ達に戦いを挑むソフィータ。絶望的な生存競争の支配する暴力的な世界の中で、彼女の行為は、他の粗暴なロボ達と変わらない。


◇だけど、そこには他のロボ達のようなギラギラした生への執着ではなく、透明に近い純粋な「生への執着」があるらしい。
「不死のキャシャーン」への恋愛にも似た「同情」へと転化する彼女の「生への執着」を見る時、なんとも言えない不思議な気持ちになるのです。


「滅び行く世の中で、生き続けている命を・・・ひとつ知った・・・」(キャシャーン


◆◆以下メモ◆◆
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・この回も登場した瞬間から徹底的にネガティブで嬉しい、我らがキャシャーン
「オレは誰だ。・・滅びしかもたらさないオレは誰だ。・・月と言う名の太陽を殺した男。オレが生き続ける理由はあるのか・・・」(キャシャーン


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「ねえ、お兄さん!ソフィータと闘わない?」(ソフィータ)


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「素敵・・・死ねないってことは、永遠に闘えるってことだもの。(・・・)素敵だよ。闘えるって事は、生きているってことだもん。・・ソフィータは闘っている時だけ、ドキドキする。生きているって感じがするの。」(ソフィータ)


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「できないよ。お兄さんと戦いもせず、別れる事は出来ない。・・ソフィータと闘って。」(ソフィータ)
「・・・どうしよう。お兄さんに嫌われちゃった・・・。だから言葉って嫌い。ソフィータの気持ち、伝わらないから・・・。」(ソフィータ)


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「でもある日気付いたの。どうせ誰かをぶっ壊すなら、楽しもうって。お互い楽しんで、熱くなって、傷つくなら、しょうがないって。」(ソフィータ)
「ソフィータは楽しむことになれちゃった。・・・どうせ滅ぶなら、幸せに滅びたいもん。ドキドキして熱くなったまま、滅びたいもん。」(ソフィータ)


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「闘おう。こうすることでしか、ソフィータの気持ち伝えられないもん。」(ソフィータ)
「君の気持ち・・・?」(キャシャーン
「うん、大好きな気持ち」(ソフィータ)


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「いっぱい、いっぱい、・・滅ぼしてきたもん。だからお兄さんのことも滅ぼしてあげる。お兄さんはそれを望んでいるから。」(ソフィータ)


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「良かった。・・君を傷つけなくて。・・僕が、僕で無くならなくて。・・君を傷つけなくて。きっと、・・君に殺意がなかったから。」(キャシャーン


「お兄さん・・・死なないで。熱くならなかったよ。お兄さんとの戦いはドキドキしなかった。ソフィータはサーベルの間合いでしか誰かに近づいたことがないから、サーベルを会わせることでしか気持ちを伝えることが出来ないから。」(ソフィータ)


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キャシャーン、素敵な名前だね。行くね・・・もう二度と戦わなくて済むように。だから、死ねないことを悲しまないで。生きてまた会えることを楽しみにして。」(ソフィータ)


「滅び行く世の中で、生き続けている命を・・・ひとつ知った・・・」(キャシャーン