■機動戦士ガンダム00(セカンド) 03アレルヤ奪還作戦s黒田洋介c&d長崎健司キャラg大貫健一メカg西井正典

◆どうも第二期は、話のぶっとい柱が(今のところ)主人公サイドに見えないよね。すごく物語として弱くなったような気がする。


◆第一期は、イオ爺の「世紀を超えた理念まみれの超巨大計画」が冒頭どーんとぶちあげられ、「戦争根絶」という念仏を唱える原理主義的テロリスト達の力強い(だけど単純な)造形があり、とにもかくにも物語は強引に進んでいった。
ええ、細かいことを気にしない、この強引さがなければ、こんな奇妙で挑戦的なプロットの作品なんて完結しません。


◇そういった意味で、テロリスト達の表面的な目的が達成されて世界統一がなった!(だけど、テロリスト達は滅んだ!)という第一期のラストは、この特徴的なプロットにして、ワタシが唯一想い浮かぶ物語としての結末だったわけです。


◆さて、世界統一はなった。「イオ爺の誇大妄想的な世紀を超えた大計画」もうやむやになり、達成されたのやら失敗したのやら曖昧な状況だ。
ここから、第二期の物語は出発するのです。


◇そして、肝心の主人公のテロリスト達は、(三話まで見てきた感じでは)「戦争根絶」という念仏を唱えることを忘れて、「SF的な理念に基づいた大計画」を背景にすることもなく、いわば私闘を始めちゃう。(仇役のリボンズは、自分たちこそ現在もイオ爺の計画を遂行していると、この回、第三話では述べているけど、またそれは別の話。)


◇これは、これでいいんですよね。すると、今度は、世界は分裂を始め、再び戦争に充ち満ちて、あのテロリスト達の理想ははかなく消えていく・・・・・という話に個人的にはするしかないと思ってしまいました。


◆ただ、こうして「物語のぶっとい柱」が見えなくなり、対象関係が複雑さを増してくると、第一期でも顕著だけど余り気にならなかった「シンプルで力強いが、雑な話の運び方」が、もう!なんというか耐えられない気恥ずかしさで浮上してくるのに気がつくのです。あー、もう、困った。


◆だけどまあ、第一期でも誰かが言っていたじゃないですか。「イオ爺の本当の目的」は戦争根絶ではないと。


◇ここは是非にも早急に、イオ爺のハリ・セルダン並みの遠大な大計画を主人公サイドに取り戻してあげて欲しいなあ。
やっぱり、イオ爺の誇大妄想大計画が主人公サイドにないと、このシリーズは持たないよう・・・と個人的には思うのでありました。ごめん。