■シゴフミ10デアイs大河内一楼c二瓶勇一d矢吹勉g佐古宗一郎高野和史ひのたかふみ総g川上哲也

◇2話遅れ。
◆面白かった。突如、人生の終点に立ちつくす30代「男子」の茫然とした彷徨。身につまされちゃったな。秀作。


◇しかし、コドモの頃の夢が現実として実を結び、劇的すぎる人生の最後にそのことに思い至って心静かに最後の時を迎える・・・・ってのは、話としてキレイすぎる気がしちゃったな。


◇現実は、精神的にも、経済的にも、夢は叶わないものだし、きっとのたうち回って後悔して人生の最後を迎えるんだよ。
まあ、そんなのアニメーションにしても、喜ぶのは私を含めて少数なんだから仕方がないや。


◆しかし、結婚してないし、子供もいない30代のワタシには、主人公と母親の電話口でのダイアローグが痛すぎて困った。
「あ、それでね、ミサおばさんと話したんだけどね、仕事。紹介してくれるって。こっちの信用金庫で最初は契約社員からなんだけどね。(・・・)いー機会じゃない。ゲームなんて訳の分からない仕事じゃなくて、フツーの仕事をね。」(母親)
「・・・なんだよ、普通って。(・・・)そっか、世間体が大事なんだ。(・・・)オレがオタクなの母さんずっと嫌がっていたし。(・・・)もっと普通のコドモがよかったんだろ。普通の会社にはいって、普通に結婚して、普通に孫とかつくってさ。でも・・・オレはもう・・・・」


◆また、話としては、「小学低学年ぐらいの子供が初めて死に触れる」というモチーフが実はメインだったのだけど、これは成功しているのだろーか?


◇コドモには死はやっぱり良く分からず、子供らしくあっけらかんとしているけど、死体が冷たかったという物理的実感と、不可逆な事態への違和感が残った・・・という結末は、「突如、子供が死を悟って泣き崩れる」よりも遙かにリアルだが、何となくすっきりしない。


◇いじっていたゲーム機のスイッチを切ったことで、死の絶対性への畏怖が芽生えた瞬間を演出していたような気もしたけれども、じゃあ、どうすればいいかというと、良く分からないや。ごめん。


◆◆以下メモ◆◆
・あと、喧嘩別れした主人公の親友が、真相(ガンで余命僅か)を知って主人公のお葬式で泣き崩れるのは、ベタベタだが結構ツボでした。