■神霊狩/GHOST HOUND 21Stochastic Resonance−確率共鳴−s小中千昭c&d新留俊哉g中村光宣

◆1話遅れ。
◆この回は、実は次回予告が一番印象に残った。恒例の淡々とした衒学披露のナレーションが転調して、大ボリュームの登場人物たちの絶叫が重なる。意表を突かれたこともあったけど、結構コワイ。これは良かった。


◆しかし、肝心の本編は、どーも冴えない。
中学生3人組にミチオ、自称公安の鈴木さん、平田センセイ、鳳センセイ、亀岩山を徘徊しているじっちゃんと言った具合に、主要登場人物を一同に会させて、情報交換して話を要約する・・・・って脚本は今時どーなのでしょう。
雨のお堂という舞台はよかったけど。


◆そんななか、この回は、雨の車中、鳳センセイの物理的イロケに性欲が刺激されて理性が飛び、思わず手を握ってしまう「中学生男子」中島くんが良かった。このシークエンスの、打撃音っぽいノイズを基調とした音演出がキリキリしてツボでした。
その後、鳳センセイに戯れに迫られて、とまどって逃げ出す様も可愛らしい。


◇全般に、宗教に家を乗っ取られた大神くんも含めて、オトナや社会に向き合うとき、為す術のない子供のコドモらしさがいい感じ。
古森くんのお父さんに、父の形見のギターを貰って涙する大神くんなんて、あんなに突っ張っていたのに素直になっちゃって・・・。


◆◆以下メモ◆◆
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・中島くんに自分はスパイだと告白する鳳センセイ。
「私はバイオイドの生化学技術情報を得るために、あなたのお父さんに近づいた。・・・でも尊敬している。あなたのお父さんは科学者として理想と独創性を持った優れたヒトだわ。」


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・ようやく意識不明から目が覚めた都の父と、公安の鈴木さんとの対話。都の父は、教団に脅迫されている様子。
「大神教が宗教として成立しているかというと疑問ですが、急激にその勢力を強めようとしている。・・そうすることを望む者がいるからです。・・最終的に何を目標としているのか、分からないのが不気味なんですが・・・」(公安の鈴木さん)
「・・この九州は天孫降臨の地。・・日本から独立するのかも知れません。」(都の父)


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・激変している地域社会の宗教環境について、ミチオに語らせる。
「水天町の半分以上のウチが、大神様にはいったとばい。ばってん、よほどの信者じゃなかと、中にまで入れんばい。中はおなごばっかりたい。」(ミチオ)
「物忌みの連中たい。好き勝手しやがって」(大神くん)


・都は、「龍神」がこの街に降りると予言していると語られる。


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・雨のお堂で、一同に会した登場人物達に、亀岩山徘徊のじっちゃんが、バイオイドについての推測を解説。
「そいつらは急激に増殖して急激に死んでいったんだな・・?」
「あんたらがどういう定義で生きものとそうでない物を分けてたかは知らんが、間違いなく、そいつらは生きものとして振る舞っていたんだ。」
「俺たちには未だ分かっていない、この世界の秩序。そんなもんがもしあるとすればだが、バイオなんとかは、それをかき乱したんだろうな。」


・ついでに、大日本バイオの企み、変異バイオイドの放流、大神教団の膨張などについて、身もフタもないことを語らせています・・・・
「・・・まあ、偶然なんだろうな。こんな状況、誰かが仕組んで出来る事じゃない。」