■バンブーブレード26"それから"と"これから"s倉田英之c&d斉藤久五十嵐達矢g沈宏渡邊義弘原修一植田洋一

◇最終回。
◆剣道部を中心とした学生生活のなかで、みんないろんな経験をしてすこうしずつ成長したよ・・・というささやかに、そして爽やかに閉じる最終回。
劇的なドラマがない、このノリはやっぱり倉田脚本のひとつの真骨頂。心がやすまります。良かった。
「お母さん・・・私、二年生になりました。」(タマちゃん)
また、ゆったりとした音楽演出がツボ。


◆だけど、この回は、全編、剣道翼賛の振興アニメみたいなカンジで若干座りがわるいとおもっちゃったかな。ごめんなさい。
主人公達が折に触れ「剣道が大好きだ」という表明をするのだけど、これは悪い何かに洗脳されたんじゃないの???と、思わず不安になるような、根の見えない断言に見えてしまった。


◇ワタシが捻くれているのだろうけど、シリーズを通して「ちゃらんぽらんな剣道部生活」は掛け値なしに魅力的に描かれていたが、「剣道」は、ごめんなさい、あんまり魅力的には、ワタシにはどーしても思えなかった。だから、主人公達が「剣道が好きだ」というのは良く分からないんだろうな。


◆また、個人的には、シリーズ開始当初に、志を失って自堕落だったコジローセンセイの復活の物語として期待していたのだけど、特にポイントがないまま気が付かないうちに人格者になっちゃっていて、そこが残念だな〜。
まあ、これがこの物語のコアではないのだけどさ。


◆文句ばかり積み重なってごめんなさい。
しかし、このシリーズは、「ちゃらんぽらんな部活」や「ささやかな日常」を、キレのいいギャグを交えて端正に演出した今どき貴重な秀作でした。とても面白かった。


これらのノリがどうも「剣道」という素材と衝突していたんじゃないかしら。難しいなあ。


◆◆以下メモ◆◆
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・新入生が練習の迫力に押されて息を飲み、みんな楽しそうですね、などというのも、なんというか、プロレスのアングルみたいで、すごく気になっちゃったな。
剣道部を見学する新入生が、主人公達の成長を描くための露骨なツールに見えてしまってこの仕組みはあんまり上手くいっていないような。


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・学校をクビになったコジローの消息。成長。
「ノブちゃんの紹介で船にのってバイトしたり、家事手伝ったり、あとは・・・素振りばっかりしてました。」
「ええ、仕事終わってくったくたになるまで、何百回も、何時間も。・・・おかげで、何も悩まずに済みましたよ。」
「この年になって、素振りがあんなにキツくて、あんなに夢中になれるもんだって、やっと思い出しました。」