■神霊狩/GHOST HOUND 20Shaman's Districtーシャーマンの領域ーs小中千昭c山田勝久d下司泰弘g石井明治g補佐松浦仁美

◇2話遅れ。
◆父親が石段から突き落とされて意識不明となり、母からも見捨てられた都が大神拝霊会に取り込まれる話。
頼るべき庇護者のいないコドモの寄る辺無い状況が、個人的にはツボ。


◇心ならずも、宗教家に庇護されていく都を、言葉無く見送る太郎。彼の焦燥感の募る精神状況を、揺らめく大気と、コントラストをうんと強くして白く焼いた風な画面で演出。ここの精神的に焼かれてヒリヒリしたカンジが非常に良かった。


◆一方、大日本バイオの鳳研究室の助手のパンク青年古沢が、本来、自己複製しないように設計された「バイオイド」を自分の欲望のまま改造し、自然の中に解き放つ。


◇また、平田先生の幻覚が、平田先生自身の脳の器質的な異常によるものであり、それは「水天町」という物語の舞台の土地から影響を受けて生じたのではないかと語られたり、物語はいよいよ佳境に。
「私は、その土地、水天町に原因があると考えているのです。ヒトの、いや動物の脳に何らかの作用をもたらすような・・・。DBIは何の研究をしているんでしたっけ?」


◇衒学に衒学を重ねて、じらしにじらした上で語られる物語のSF的仕掛けが、うーん、どうも結構古めかしなあと思ってしまった。
しかも、積み重ねてきた衒学に余りに素直すぎて、どーにも深みがないような・・・って少しおもっちゃった。ごめん。


◆◆以下メモ◆◆
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・自称公安調査庁の鈴木さんが、鳳センセイの出自について語る。
「鳳麗華・・・神奈川県生まれ中国系アメリカ国籍。」
「カナダの私立大学からDBIに移籍するまでには、六ヶ月のブランクがある。・・ワシントン郊外のベセツザに滞在していたという記録が残っており、合衆国国立衛生研究所の密命を帯びた二重ないし三重スパイである可能性は濃厚である。」



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・平田先生の脳が・・・
「これは認知症患者のMRIですか?」(鳳センセイ)
「いいえ私の脳なんです。」(平田センセイ)


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・中国、カナダ、韓国に、出し抜かれた大日本バイオ。中島くんの父しか悔しがっていないのはどーゆーこと?会社として動きがあるべきだと思うのだけど、脚本はそーゆディテールにあんまり興味ないみたいだ。
「世界同時多発的に発表」「中・カ・韓、人工生命体の開発に成功」「人工臓器の革命」「人類への福音」「神は微笑むのか」


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・太郎くんに、死したスナークが語りかける。
「ホログラムに過ぎないかも知れないこの世界の、我々の関知し得ない何らかの秩序の中で、君は行く先を見失っているかのようだ。」


「君の年齢で感じる時間の流れはずっと緩やかだ。しかし、立ち止まってみるべきではない。・・・君が言う幽界(かくりよ)に自らを放逐してしまった僕が意見出来る立場にないのは承知しているが。」


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・中島くんの父がバイオイドについて語る。
「バイオイドは我々が定義する生物ではない。レシピエントのDNAを元に、遺伝子にエラーがあればそれを補正したうえで、その臓器だけを培養する有機体だ。」
「バイオイドは固有の脳を持たず、我々が管理するコンピュータのプログラムで活動するし、何より自己複製機能を持たない。」


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・自称公安調査庁の鈴木さんが、大神くんに語る。
「都ちゃん・・だっけ?あのこのお母さん国土交通省にお勤めなんだけど、上の方からあの子を大神教に預けるように圧力がかかったらしくて・・・」


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・台風の嵐のなか、ぶつぶつ話ながら庭に立ちつくす母を見る古森くん。
「どげんしたと?」(太郎)
「いまね。そこにミズカがおったとよ。」(その母)



「太郎。私がヘンになったとおもっているでしょう?・・・お母さんは大丈夫だから。」(太郎の母)



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・幽界(かくりよ)で、時々太郎に囁く「謎の存在」に都の父のいるところへ連れて行ってくれと頼む太郎。
「本当は、直接君を助けるようなことはしてはいけないのだけど。」


・太郎くんを試すようなメタ世界の意思でもあるのかしら。


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・太郎は、幽界の謎の存在に「君は本当はだれね?」と尋ねる。
「君のことを多分一番よく知っている人物じゃないかな?」


あー、お母さんでしょうか。


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・逃げ出した古沢の、置きみやげ。
「ブラッドミュージックの主人公気取りらしいです。古沢はバイオイドのシステムを密かに上書きしていました。・・自己複製本能を宿した変種のものに。・・・全てです。」(鳳センセイ)