■機動戦士ガンダム00 23世界を止めてs黒田洋介c&d長崎健司キャラg大貫健一メカg西井正典

◆残存する「準超兵器」26機でソレスタを襲う全世界連合軍に、始めは圧倒的な「オリジナル太陽炉」の力で、やがて物量におされ危機に陥ると超機能「トランザムシステム」を発動させて対抗するとゆー、強弱ついたカタルシスあるシンプルなメカ戦がとっても楽しかった。


◇なんだか、仕事で疲れ果てているからでしょーか、力の入ったメカ戦や画面分割で表現される搭乗者たちの叫びの作画の描写、ひとつひとつが無闇に嬉しい。


◇この目まぐるしさを手際よく整理する画面構成力と、タメを自在に操るケレン溢れる演出にこそ、日本伝統のロボットもの手書きアニメの魅力、サンライズの底力が凝集されていたのではないかしら。
このカンジ、やっぱりCGでは出せないもの。


◆この回の、リアルドラマロボット系のテイストを残しつつ、スーパーロボット的な圧倒的な強さを過剰に演出するとゆー姿勢は、もう全面降伏するしかないな。カタルシスの魅力に、私はねじ伏せられてしまいましたよ。


◇「ガンダム」という冠としてはどーなのかと少し思うけど、「オーバーテクノロジー」と、「少数武装勢力対全世界」という構図が、個人的にはそれを解消してくれていたりします。


◆しかし、それだけでも充実しているこの回、さらにこのシリーズ屈指の名シーンが登場。


◇(カタキ役、動機、負傷により利き目を失った状況などすべてにおいてドラマ的な付置完了だったとはいえ)激戦の果てに、ロックオン兄さんの唐突な情動と行動、それをフォローする自嘲気味の自問自答、生身のラストシューティング、手のひらの上の地球へ語りかける様と、(もしかすると助かるんじゃないか?とゆー)視聴者じらしの手管もあいまって、これはなかなかの名シークエンスだと思いました。


◇そして、声優さんが上手い。三木眞一郎さん。この人の自嘲気味で絞り出すような声音での、面倒見のいいお兄さんキャラの演技が上手かっただけに、かなり寂しくなるなあ。


◆◆以下メモ◆◆
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・イオ爺の死体の前で、トランザムシステムを見た、アレハンドロ様とリボンズの問答。
「データに該当するものはありません。GNドライブのブラックボックスに・・・あらかじめ、組み込まれていたものでしょう。それと、ベーダ内にあったマイスター達のデータが完全に消去されたようです。」(リボンズ
「・・・イオリア・シュヘンベルグは、私の計画変更すら予測していたというのか。神を気取る不遜な理想主義者に、これ以上踊らされてたまるものか。」(アレハンドロ)


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プトレマイオス内でトランザムシステムの解説。個人的には、ここまできたら、いっそのこと「制限無しの超機能」でよかったような気が・・・。「3倍」と赤い粒子は仕様でしょうか。
「機体に蓄積された高濃度圧縮粒子を全面開放し、一定時間スペックの3倍に相当する出力を得る・・・」(スメラギさん)
「オリジナルの太陽炉のみに与えられた機能・・・」(アレルヤさん)
「でも、トランザムを使用したあとは機体性能が極端に落ちる・・・まさに諸刃の・・・」(スメラギさん)


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・ロックオン兄さんの遺言・・・・
「なにやってんだろうな・・・オレは。・・・けどな、こいつはやらなきゃ、・・カタキを取らなきゃ、オレは前にすすめねえ。・・世界ともむきあえねえ。」


・手のひらの上の地球に語りかける。
「よう。お前は・・満足か?こんな世界で・・・・。・・・オレは。イヤだね。」