■墓場鬼太郎08怪奇一番勝負s堤泰之d角銅博之g窪秀巳袴田裕二

◇いいなあ、得体の知れない論理で蠢く「妖怪」としての鬼太郎。
◆夜毎、下駄を響かせてひっそりとやってきて、幻術でヒトを惑わせ、手だけになってもうごめき続ける。
そして、自分に危害を加え、自分の論理に従わない人間への死の制裁。ヤクザの金丸さんはともかく、その妻まで道連れという非道さが実に妖怪らしい。


「妖怪達は別に悪いことはしない。それなのに、君たちのように無知な人間が妖怪を追い出そうと手を出すからやられるんだ。・・あの屋敷の下には生きた霊が眠っている。彼女は長い間孤独で寂しがってた。鬼太郎は彼女を慰めるために話し相手になってあげてたんだよ。」(ねずみ男


◆この回は、鬼太郎の幻術空間も印象に残る。抽象的な暗黒の世界、道先案内人の手足のたくさんついたぶよぶよの化け物(この質感はヒット!)、彼の語る人間の人生について。
「人生とは夢のようなモノだ。・・ひとつの幻影に過ぎない。」


バベルの塔に入り「突き当たりのふすま」が、現実に繋がっていくというのも、壮大なビジュアルとのギャップが素晴らしい。


◆◆以下メモ◆◆
・冷蔵庫を漁りながら興奮している、鬼太郎の下世話さもよかった。
「ふうあ、ふうぁ・・・ひひひひ」


・原作タイトルも、「怪奇一番勝負」