■機動戦士ガンダム00 11アレルヤs黒田洋介c&d北村真咲キャラg今泉良一メカg佐村義一

◆今まで気がつかなかったのですが、どうやらティエリアさんの中のヒトが絶望先生でした。
冒頭、シチュエーション的にも口調的にもドンピシャで、「絶望した!こんな戦術予報士のいるトレミー絶望した!」的な後ろ向きな駄々をこね出さんばかりの言動に大爆笑してしまった。
これって狙ってやっているのかしら。


アレルヤ、ハレルヤの脳内の戦いも、(当人も演出も)一生懸命やっているのだけど、あまりに味があり過ぎてコントに見えてしまう私は心が汚れているのでしょう・・・


◆ところで、ソレスタによる「結果としての殺戮」描写を、今まで演出上は(セリフ以外では)カンペキに避けてきたのだけど、この回は、グッと具体的に踏み込んで(兵器として育成されていたとはいえ)子供の大量殺戮を暗示しています。(それでも相当抽象的な演出でしたが。)
物語としての覚悟を示しているのだといいなあ。


◇しかし、こうして話数を重ねてくると、このシリーズの暗い結末がどんどん確信になってきて、私的にはもっとエッジを突っ走れと思っていたりします。・・・・・ああ、どす黒くて済みません。


◇また、この回は、アル中で飲んだくれるスメラギさんが良かった。このヒトの醸し出す精神的雰囲気も、もう悲劇しか思いつかないじゃないですか。
(酒を控えたらとアレルヤに言われて)
「いやよ。あたしはこれがないと生きていけないの。」
痺れた。


◆しかし、政治的な駆け引きを伴う作戦モノが柱にあり、それをキャラクターの因縁物語で補強し、その周囲に、平和な学園物語、小国が陰謀(?)に巻き込まれていく物語、200年前の科学の亡霊を追う物語などをちりばめる手際が上手い。
これらを毎回毎回律儀に少しずつ登場させ、しかし結構な印象を残しつつ物語サイクルを回していく手腕はなかなか侮れないと思いました。。。。。


◆◆以下メモ◆◆
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ガンダムの放出する粒子についての、ユニオンのポニテ博士と月影教授の対話。
「やはりこの特殊粒子は、多様変異性フォトンでしたか。」(カタギリ)
「それだけではないぞ。ガンダムはこの特殊粒子そのものを機関部で作り出しておる。でなければ、あの航続距離と作戦行動時間の長さが説明できん。」(エイフマン博士)
「現在、ガンダムが四機しか現れないことと関連がありそうですね。」(カタギリ)
「げに恐ろしきは、イオニア・シュヘンベルグよ。二世紀以上も前に、この特殊粒子を発見し、基礎理論を固めていたのだからな。」(エイフマン博士)
「そのような人物が戦争根絶なんていう、夢みたいな行動を何故始めたのでしょうか。」(カタギリ)
「紛争の火種を抱えたまま宇宙へ進出する人類への警告・・・・そう、わしはみとるがな。」(エイフマン博士)


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・イスマイール王女の側近の恐い女の人が、国連大使アレハンドロ・コーナーに突っかかる。
「コーナー大使。国連がアザディスタンへの技術支援を決めたのは何故です?中東には技術が立ち後れている国がたくさんあります。・・なのになぜ?」(シーリン女史)
「あなた方の要請があったからではないですか。国連としてはアザディスタン王国をモデルケースにして中東全土に支援の輪を広げていきたいと考えています。・・・それに、ソレスタルビーイングの存在も気がかりだ。(・・・)戦争根絶を唱える彼らが、小規模とはいえ紛争の絶えない中東へ介入してくるのは時間の問題。紛争後の復興支援よりも、争いを無くしていく為の支援が重要だと私は考えます。」(コーナー)


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・球形ドーム内に浮かんで、目を金色に光らせるティエリアさんは、アレルヤ立案の作戦についてのスメラギとアレルヤの会話を盗み聞きしていた様子。彼はコンピュータと一体化しているの?


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・サジくんのテレビ局につとめる姉が、イオリア・シュヘンベルグを追う。
「恐らくイオリア・シュヘンベルグは、この計画の為に当時の科学者達をスカウトしていたのよ。資材の流れはデータを改ざんできても、ヒトは違う。・・・少しだけ見えてきたわ。二世紀も前に亡くなった男の影が。」