■機動戦士ガンダム00 10ガンダム鹵獲作戦s黒田洋介c&d榎本明広_キャラg森下博光_メカg松田寛

◆色々メリハリついて面白かったが、シリーズを通して説得力のある戦力バランスを描くのって難しいなぁ・・・と思った一編。


ソレスタルビーイング側が受け身に回った初めての展開だとはいえ、超兵器4機が(あれほど無敵を誇ってきたのに!)弱々しく敵に押されるのが説得力なくてねえ。(もちろん物語としては、こういう展開もなくては困るのだけど。)
地上では無敵だけど、宇宙はちょっと苦手!と脳内補完をするのかしら?・・ううん、いまいちだ。


◇また、ティエリアさん搭乗のバーチェが追いつめられ<超機能>が発動し、一転して強くなるあたり。
強くなった理由が、<「ヒゲ」と「落ち武者風の髪の毛」>しか思い当たらなくて、大爆笑。ああ、笑ったよう。・・・ごめんなさい。
むしろ装甲と装備一式を破棄してるんだから、画面を見ている感覚的には、弱くなるような気がしてしまった私は正しくないのでしょう。


◆ところで、この回は、「重大な失敗をしたと感じて、涙目になってメソメソするティエリアさんとスメラギさん」に、「分かり易い二重人格極まれりといったアレルヤさん(このヒトも「善玉アレルヤ」に戻った瞬間にメソメソする)」といったキッチュなキャラクター造形も、味わい深かった。
随所で、かなーり爆笑してしまった。素晴らしく癒された。
しかし、大丈夫なのか、このテロリスト達。。。。


◇ワン嬢曰く
「なんという失態。イオリア・シュヘンベルグが求めた理想をガンダムは体現している。・・・なのに、どうしてマイスター達はこうも不完全なの?」
とあるので、一応この精神的未熟者の集団に、物語上の意味をつけてくれそうなので、期待です。


◆このシリーズ、分かり易くメリハリついた通俗的なキャラクター造形と物語の状況が、一転して、段々味になってきたなあ。
「どシリアスな演出のノリ」や「キチンと手間をかけて考えて設定したシリアスな物語世界」との乖離が面白くて、見ていて非常に楽しいな。


◇世界設定と演出といったベースがしっかりしていれば、マイナスの価値が反転するといういい例だと、(いまのところ)私は思いましたよ。


◆◆以下メモ◆◆
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・前回名前を覚えた人革連のセルゲイ中佐の副官のミン中尉が、特攻攻撃で死んじゃってガッカリ。
・特攻を止めようとするソーマさんに、セルゲイ中佐曰く
「男の覚悟に・・・水を差すな。」
・・・・って、そりゃないんじゃないの。


・せっかくガンダム捕獲したのにツメがあまかったり、逃げられると「手ぶらで帰るわけにはいかんっ」と上目線で力み、だけどあっさり撤退を決断したり、中佐の指揮官として能力に疑問符が・・・・でもこのオヤジは好きだ!


「四番艦の反応が消えた・・・・なんということだ。・・・全ては私の判断ミス。しかし、手ぶらで帰るわけにはいかんっ」


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・追いつめられたティエリアさん。バーチェの超機能が発動。
ガンダム・ナドレ・・・目標を消滅させるっ」


・普段は狷介で取っつきにくいティエリアさんは、融通が利かず、自己否定感の強い性質らしく、失態にメソメソしていました。
「ああーっ、何という失態だ・・。こんな早期にナドレの機体を晒してしまうなんて。計画をゆがめてしまった。ああ・・・ベーダ。オレは・・・僕は・・・私は・・・」
・この無意味に一人称を変えるのには意味があるのかしら。とりあえず爆笑した。


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・「悪玉アレルヤ」が自分の成り立ちを語っていました。
「見つけたぜ。ティエレンの高起動超兵仕様。あー、まちがいねぇ。さんざんっぱら、オレの脳量子波に干渉してきやがって!てめぇは同類なんだろう。・・そうさ、オレと同じ!体をあちこち強化され、脳をいじくり回されて出来た化け物なんだよう!」


◇この回もワンカットレギュラーの国連のアレハンドロ・コーナーさんが、お付きのリボンズくんと一瞬登場。
「良いのですか?このままにしておいて。」(リボンズ
「私は監視者であって、実行者ではないよ。私に出来ることは彼らを見つめ続けるのみ。・・・たとえそれが、滅びの道だとしても。」(アレハンドロ・コーナー