■機動戦士ガンダム00 07報われぬ魂s黒田洋介c寺岡厳dヤマトナオミチ_キャラg千葉道徳_メカg大塚健

◆冒頭の、洗脳だか教化だかされた子供が親殺しをするというセツナくんの過去を、いや大袈裟な・・・・と思ってみていたら、うう、違うんですね。
ググって見ると、第三世界の民族紛争で、「少年兵」が前線に配備されることが、現代世界の問題になっていることを、私は初めて知りました。ああ、オレって、なんて無知なんだ。


◇なかには、本編さながらの事態もあるらしい。
Wikipediaの「少年兵」の項の引用。

アフリカ諸国の反政府組織の例では、村々を襲って教育もままならない幼い少年少女を拉致し、洗脳教育的な軍事教練を施し兵員とする。少年兵は使う者にとっては従順な存在であり、特に革命統一戦線の例では、薬物で洗脳し、村人の腕や足を切らせるなどしていたことから世界で批判が沸き起こっている。


◇そもそも、25万人の少年兵もいるとか、同じWikiの下記の記述を見ると、私は何にも知らないんだなと思う。

ユニセフは少年兵の数を約25万人と推定している。その姿は、発展途上国の武力紛争で見られ、実際の戦闘から誘拐、スパイ活動、物資の運搬など幅広い活動に従事している。中には地雷避けにと、真っ先に地雷原に突入を強要されるケースも報告されている。少女の場合は、兵士に妻として与えられ、性的虐待にあったり、身の回りの世話などをさせられたりすることが多い。
恐怖から逃れるため、薬物を使用する又は使用されることも多い。


◇私は毎日、新聞は読むのだけど、記事になっていないのか、それとも私のボンクラな目に入っていないだけなのか、全く意識していない世界がある。
飽食平和の囲われた世界、ワタシで言えばアニメ漬けの脳内お花畑を囲った築地塀の割れ目から外をのぞいてみると、地獄が広がっているのだろうか。
ああ、ダメなオレだよ。


◆しかし、この回は、戦争の具体性を帯びた悲惨なエピソードを、話に取り込んでいて、それだけに激しくねじれているなあ。
こんな現実の地獄をさりげなく挿入する一方で、戦争の格好良さを称揚する。
願わくば、ロボの格好良さを描写するための刺身のツマとしての悲惨さではないことを!・・・だよ。


◇だけど、(ロボとかキャラとかの表面的な装飾を取り除いた)これまでの愚直に筋道を考えて展開していく物語のトーンを見てくると、いつしか本質的な問題提起が、そんな無邪気なロボ戦争の格好良さを凌駕して、見たことのない物語を提示してくれるような気もするな。。。。。というのは、期待のし過ぎ?


◆ところで、この回は、超兵器4機によって、軍事立国モラリアが全面降伏。
業を煮やした世界の<抽象的な(?・・ワタシの希望です)悪意>が、世界7カ所での同時テロを行うという(今後の展開的に)超難易度の高い展開。どーすんだろー


◇考えてみれば、このシリーズは、明確な敵のいない物語で、極めて特殊なんですよ。
(紛争は頻発しているが)それなりに秩序が保たれている世界に、主人公達が超兵器を持って一方的に攻撃を仕掛け、それに対する<秩序側>からの反応を丁寧に描いていく作劇。
この場合の<秩序側>には、分かり易い悪役は(これまでのところ)存在していなくて、いわば<世界全体の有機的な政治システム>が、主人公達の敵なのかな?


◇ワタシはそこを非常に面白いと思っているのだけど、さて、そこで、同時テロ展開。具体的なテロ組織を叩いて終わりじゃ、興ざめだし、安易だし、現代のテロを反映していないし。


セツナくんのセリフが非常に心配だよ。
「その組織はテロという紛争を起こした。・・ならばその紛争に武力で介入するのが、ソレスタルビーイング。」


◆◆以下メモ◆◆
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・セツナくんは、少年兵だったころの戦争指導者、アリー・アル・サーシェスにロボで対戦する。
「何故奴がここに・・・・行き場がなくなってPMCに所属したのか?・・・だとしたら、奴の神はどこにいる・・・・」


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ティエリアさんが、まーた極端な主義者みたいで、仲間割れ展開がありそう。
「セツナ・F・セイエイ(・・・)今度また愚かな独断行動をとるようなら、君を後から撃つ。(・・・)ガンダムの秘密を守る為だ。」


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・4機の超兵器の攻撃で、モラリアが無条件降伏。
「ワン・リューミン・・・このミッションでどのぐらいの犠牲者が出たかわかる?・・・私の予測だと、500人はくだらないわ。」(スメラギさん)
「それを承知の上で、ソレスタルビーイングに入ったのではなくて?」(ワンさん)
「わかっているわよ。・・・わかっているわ」(スメラギさん)


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・ユニオンのグラハムと、ポニテ博士と、月影先生の対話
「どうやらAEUは賭けに負けた様です。」(グラハム)
「それはどうかな?確かに20機以上のモビルスーツを失ったのは痛いけど、これでAEUは国民感情に後押しされて、軍備増強路線を邁進することになると思うよ。モラリアに貸しをつくったことで、PMCとの連携もより密接になるだろうしね。」(ポニテ博士)


「悲しいな。どんな華やかな勝利を得ようと、ソレスタルビーイングは、世界から除外される運命にある。」(月影センセイっぽい博士)
「プロフェッサーは彼らが滅びの道を歩んでいるとお考えですか?」(グラハム)
「まるで・・・それを求めているかのような行動じゃ・・・少なくともわしにはそう見える。」(月影センセイっぽい博士)


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・さりげなく特派員に語らせるが、もっと強調してもいいんじゃないかなあ。
「一般市民にも多数の犠牲者が出ている模様です。」


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・セツナくんの突発的な行動を非難するマイスター一同の発言。その中で設定に関わるところ。
ガンダムマイスターの正体は、太陽炉と同じSレベルでの秘匿義務がある。何故敵に姿をさらした?」(ロックオンさん)
「僕たちはベーダによって選ばれた存在だ。・・セツナがガンダムマイスターに選ばれた理由はある。」(アレルヤさん)


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・アリーが情報を入手したように、スメラギさんの元にもテロの情報が。
「やはり、起きてしまうのね?・・・これが悪意に満ちた世界・・・・」


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・世界の主要都市7カ所で同時にテロ。犯行声明。
ソレスタルビーイングが武力介入を中止し、武装解除を行わない限り、今後も世界中に無差別報復を行っていく。」


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・やっぱり、ティエリアさんの原理主義者ぶりが、波乱要素。
「無差別殺人による脅迫・・・」(アレルヤさん)
「ふふ、そんなことで、我々が武力介入をやめるとおもっているのか?」(ティエリアさん)
「一般人が犠牲になっているのに何ともおもわんのか?」(メカニックのおっさん)
「思いません。このような事態が起こることも、計画の中には予測されているはずだ。」(ティエリアさん)