■神霊狩/GHOST HOUND 04Altered Stetes of Consciousness-変成意識-s小中千昭c湖山禎崇d松澤健一g浜森理宏植田実

◇面白かった。
◆いままで丁寧に描写されてきた3人のキャラクターの、死に直結する原体験的コンプレックスが、湖底から再び現れた廃墟の病院で異界への道を開く。


◆死に関わる会話を交わす3人を描写した、いつものように低体温で淡々とした状況の積み重ねが、廃墟の暗闇を彷徨ううちに、次第に音的演出により閉塞してゆきます。


◇現実基層の3人による廃墟の探索劇と、音演出による異界の「気配」が、振り子のように交互に演出されて、次第に異界が支配力を強めていく様は、なかなか見応えがありました。
いや、むしろ聞き応え?やっぱり演出の音への注意の払いようは伊達じゃないかも。


◇随所にカットインされる3人の死への原初的恐怖がまた効果的。
異世界の気配に本能的な畏怖が噴出する(小学生巫女を加えた)4人。
彼らの荒い呼吸が混沌を呼ぶ。


◆ところで、異界の先触れとして、太郎が地下の暗闇で幻視する、首のない女の肉迫が見事だと思った。
異常な次元が淡々と現実にさりげなく繋がっている様が、暗闇の中の恐怖と切迫と、しかし、当然の事態として上手く演出されていたのではないでしょうか。


◆しかし、霊魂の描写、そして劇中「幽世」と呼ばれる異界の描写が、具象的で、言ってしまえば、少々俗っぽくて素直な表現、そして造形の発想的に幼い感じがするのには意表をつかれたかも。
神懸かりした無口な小学生巫女ともども、さーて、これらをどう料理するのだろーか。楽しみ。


◆◆以下メモ◆◆
・毎回違う音的アプローチで前回の展開を語るアバンも面白い。