■電脳コイル22最後のコイルs磯光雄三上幸四朗c村田和也野村和也d木村延景g押山清高

◆存在していると思っていた兄の不在だとか猫目の裏切りだとか、現実認識に不確実性が増し、メガマス社に追いつめられつつあるイサコ。彼女を、声を出して大袈裟に号泣させるのは演出の技だと思いました。
彼女の立場の劇的な変転を包んで、非常に効果的。


◇この回は、めっきり素直になったイサコと、未だ随所に表出する不器用に凛々しいイサコのギャップと、そのめまぐるしい移り変わりが見どころかしら。
このあたりでの、ヤサコの妹のキョウコの使い方が上手かった。


◆さて、こんな状況で、優しく声をかけられて体を張って味方になってくれるなんて言うヒトが現れたらイチコロですよ。
かくて電脳的な超絶の技を持たない主人公ヤサコが、イサコと目線が会う瞬間。


◇・・・と思って見ていたら、Bパート最後、二人がメガマス社の新サーチマトンに追いつめられたところで、ヤサコの右肩に埋められた「暗号路」という設定(異界から戻ってきた辺りからの伏線)が出現。
ヤサコは、イサコの電脳の技と同じ地点にたってしまいました。


やはり終盤、主人公には派手に活躍してもらわなくっちゃ、って事なのか。


◆ところで、メガマス社が一般の市民の電脳生活を不自由にしてまでイサコを追う理由はなんなのかが気になった。


◇前回からの流れだと、「4423病室の秘密」の真相を知ってしまったから、ってのが自然な気もする。
だけど、そもそも「(この回の演出的暗示としては)メガマス社に脅されたタケル」が真相をバラしたのがイサコが真相を知った原因なんだよなあ。


メガマス社にとって真相がバラされるのが想定外で、「イサコを消したい誰か」がワザとイサコが真相を把握するように仕向け、メガマス社は真相を知ったものの確保を急ぐと。・・・とりあえずこんな具合に理解しておこうかしら。


◇ところで、「イサコを消したい誰か」は、タケルかも知れないし、別のヒトかも知れない。この回のピンクミゼットの演出を見ると、別のヒトが有力な気がした。(タケルは、イサコを病院に向かわせるぐらいの働きしかしていないのではないかしら。)


ピンクミゼットをタケルの手駒のように見せている演出もあるが、手駒であることを直接描写した場面はないし、逆に、ピンクミゼットが、彼らを客観的に観察しているような描写もあるので、さて。(考え過ぎかも)


◆◆以下メモ◆◆
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・冒頭ナレーション
「業界の噂によると、イマーゴ機能を外すことが出来なかったメガマスは空間の方を改良したそうです。」


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・冒頭、イサコの人形を手にした誰かが異界で語る。
「この世界をこわしてはならないの。・・・誰かがそう願った。必死に。・・・だから私は生まれた。この世界を、この気持ちを、永遠に守らなくてはならない。」


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・電脳局は、唐突に一般への影響もお構いなしに必死。・・・・イサコを捕まえることがそんなに重要なのかしら?・・・ってこの辺りが今後の展開
「電脳局のフォーマットは緊急性の高い強制措置です。一般の個人データも保護されません。ご自宅で待機するか、メガネの使用を停止してください。」


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・猫目が語るタケルに語る「コイルドメイン」。
「ある実験があったんだ。そこで呪われた生きものたちが生まれた。・・コイルドメインでな。その生きものはコイルドメインにつながったまま、電脳空間に居座って自分たちの生存を要求した。」(猫目)
「(その生きものが)そう、ミチコだ。・・コイルス倒産後、メガマスは何度もコイルドメインをフォーマットしたが、どうしても消滅しなかった。キラバグはその時発生した異常空間のカケラなんだ。」(猫目)
「(ミチコさんは今も生きているの?)それは・・・誰も知らない。誰もな。」(猫目)

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・瀕死のデンスケを見るイサコ。
「やはり、こいつは普通の電脳ペットじゃない。こいつ恐らくは、私のモジョと同じく、誰かが改造したものだ。」(イサコ)


・デンスケの首輪の錠前が、イサコの持つカギと反応


「この犬は普通の方法では治療できない。この首輪が全てを封印していた。あのとき私でさえ気が付かなかったのはそのためだ。・・精巧な改良だ。互換性も普通のペットと変わらない。」(イサコ)


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・オジジの部屋で、4423のカルテを見つけるイサコとヤサコ
「オジジはお医者さんだったの。あの病院に勤めていたわ。」(ヤサコ)


・お前の祖父は何者だと問うイサコに、メガバアが答える。
「メガマスと契約してある仕事を請け負ったのじゃ。」(メガバア)


「もしソウスケの言う「先生」だとしたら・・・・」(イサコ)
パスワード入力で、旧コイル社の電脳ガジェットが空間に展開。
「やはりこの人がソウスケが言っていた先生だ。」(イサコ)


「間違いない。これらはコイルスのデバイスだ。」(イサコ)
「コイルスって?」(ヤサコ)
「最初のメガネ会社じゃ。オジジは、メガマスの依頼で、コイルスのメガネ技術を調べておったのじゃよ。」(メガバア)
「そしてその犬も、恐らくコイルス製だ。」(イサコ)


「今まで分からなかったのは、恐らくお前の祖父がメガマス仕様に改造したからだ。」(イサコ)


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・オジジの部屋での、イサコとヤサコとメガバアの会話をモニタするピンクミゼット。
・ここでは、猫目ソウスケとタケルがこのモニタを利用しているように見える描写だけれども、彼らを対象としてモニタしているような場面もあった。


「やはりそうか。(デンスケは)コイルスノードか。(・・・)コイルスが作った実験電脳体。コイルドメインに接続する力を持った電脳体だ。」(猫目)


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・イサコのコイルドメインへのアクセスを探知したメガマス社の追っ手がオジジの部屋に出現。逃げ出す一同。


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・破壊されたコイルス社のガジェットを調べるメガバア。
「残ったデータに治療法らしきものがあった。しかし、その治療はコイルスの空間でしかできん。調べたところ古い空間は屋外の広域用とは別に狭い実験用の領域があるようじゃ。」(メガバア)
「おぬしらがいままで見つけたものは、恐らくコイルスが初期に作ったその空間じゃろう。オジジの部屋にあったものもきっとそのコピーじゃ。そのオリジナルの電脳空間と設備が、もし生き残っておったなら・・・」(メガバア)
「底にデンスケを連れて行けば、助かるのね。」(ヤサコ)



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・オジジの部屋で展開されたコイルス社の実験領域でメガバアが見つけた「メタタグ」。それを自身の電脳体へ装備するイサコ。
「思った通りだ、古流と暗号とは互換性がある。暗号として組み込めば連続して使えるぞ。」(イサコ)
「このレベルの暗号は、自分の電脳体に「暗号路」を組み込まないと使えないんだ。(・・・)イマーゴと直結して思考から直接暗号を取り出す構造体だ。これを使える人間は殆どいない。」(イサコ)


・イサコの体調が不良な理由。
「イマーゴは危険な副作用があるんだ。使いすぎると肉体や神経を傷つける。お前はメタタグの状態で使え。」(イサコ)


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・ヤサコの右肩に暗号路が。
「お前、なぜ暗号路が!」