■精霊の守り人19逃亡s檜垣亮神山健治c増井壮一d山崎浩司g中村悟

◇4話遅れ。
◆この回は、脆弱なおぼっちゃま二題というカンジで味わい深かった。
本来の性質は決して荒事には向いていないのに、暗殺集団の汚れ役的行動に(自然体で)段々ながされていくシュガくんの浮世離れした様子と、自分かわいさに全てを放り出して王宮へ逃げ帰ろうとするチャグム王子。


◇ともに体力無く、山道でヨロヨロしている足手まといぶりが愛しすぎます。特に村の女の子に手を引かれているチャグムくんが情けなくて素晴らしい。


◇チャグム王子的逃避思考は、子供らしいのだけど、実は結構身につまされてしまった。ダメだオレ。


◆ところで、身を張って鬼の形相で説教するバルサの気迫の声優さんの演技と強情ぶりを表現する表情の作画がなかなか良かった。
しかし、「親に刃を向けるとはどういう了見だっ!」には爆笑。決めぜりふとしては、ちょっと易すぎるなぁとおもっちゃった。


◇何があってもチャグムを守ると力強く言っている側から、なんかいい案はないのかいとトロガイ師に声野太く尋ねるという、バルサの根拠無い強情さには震えた。
気っぷが良くて気持ちがいい。もう、何らかの過去の経験に裏打ちされた完全に信念のヒトですね。
「だめだ。この場から逃げたって、あの子が背負った運命から逃げられないんだよ。闘って道を切り開かない限りね。」


「私はこうと決めたらテコでも動かないからね。」


◆◆以下メモ◆◆
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語り部の孫娘に尋ねる一同。
「卵食いはヒトに見えないし、さわれないって言ってたね。どういうことなんだい?」(バルサ
「わからない。ワタシはそう教わっただけ。・・・ただ、ニュンガロチャガを引き裂いた時にはその姿ははっきり見えたって言ってた。大きなツメが何本も地面から延びてきたんだって。」(孫娘)


「(・・・)ニュンガロチャガははじめから卵食いに食べられる運命なんだって。」(孫娘)


「たぶん、ニュンガロチャガは、ラルンガに引き裂かれることで初めてサグに卵を落とせるの。ニュンガロイムは、サグの海で生まれて、川をさかのぼってナユグの深い水のソコに住み着く精霊なんだって。だから、一度こっちに卵を落とす必要がある。」(孫娘)


「・・だとして、その生まれ出た卵はどうやってアオユミの水源から海まで行くんじゃ。勝手に川を下るのか?」(トロガイ師)
「それは、田植え歌に出て来るようにナージが卵をくわえて卵を海まで運んでくれるの。(・・・)田植え歌の三番は、<ナージゆけゆけタマサラくわえ、ツメの彼方に舞い上がれ>ってなっているでしょう」(孫娘)


「しかし、参ったね。更に厄介な問題がでてきたわい。(・・・)ナージじゃ。・・・にぶいねぇお前等は。ナージを直に見たのはいつが最後だ。」(トロガイ師)
「そういえば、子供の頃は空を覆い尽くすほどのナージが南に向かって渡っていくのを見たけど、最近はとんと。」(タンダ)
「ヨゴ人が鉄を打つようになってから尚更だ。」(村長)
「魔除けの骨も、今はなかなか手に入らぬ貴重品。このままでは小僧を守るどころか、水の精霊すら無事に海に届けることすら出来んかもしれぬぞ。どーやら、この100年でわし等が失ったモノは、風習や伝承にかぎったことではなかったようじゃな。」(トロガイ師)


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バルサは超マッチョな武人思考。
「だめだ。この場から逃げたって、あの子が背負った運命から逃げられないんだよ。闘って道を切り開かない限りね。」
「私も絶対にあの子を死なせないって約束したんだ。必ず、助けてみせる。」
「トロガイ師、何か打つ手はないのかい。チャグムを守った上で、水の精霊を返す上手い手は。」


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・王子萌えの暗殺者ジン。先に村の様子を探っておけと命令されたのに、(バルサに気取られるのが嫌だといい)村の入り口で夜明けまで待ち、その間にシュガくんとかお頭と合流していては、なんというかその、意味がないのでは・・・・と少し思った。