■精霊の守り人10土と英雄s菅正太郎神山健治c増井壮一dg大久保徹

◇面白かった。
◆動きのある話もいいが、第8話の刀鍛冶の師匠の話とか、こういう細かな民衆のディテールがこのシリーズの本領発揮なのかな。


◆この回は、四角四面で幾らでも自閉して生きていけそうなチャグム王子を、市井の生き馬の目を抜く暮らしぶりに馴染ませて生きやすくしてあげようとゆー、バルサの親心によって展開する話。


◇第7話で「お金がないと生きていけない」と初々しくも気がついたチャグム王子は、この回では、「頼まれ屋」トーヤの弟分とされて、駄菓子の値切り交渉から人生を歩み始める。
・・・・スミマセン。こんな嘘で塗り固めた値引き交渉、チキンなワタシには出来ませんよう。


◆ところで、この回の目玉は、そんな初々しいチャグムが、剛胆に堂々と街頭の賭場師のいかさまを暴くところ。


チャグムの態度と行為とその結果が我々にもたらすカタルシスが何より心地良いのだけど、ワタシ的には、街頭の3人組の賭場師の風体と、3枚のコインの裏表で賭けを執り行う駄菓子感覚満点の賭博が気に入った。


このシリーズは、この世界に生きるヒトビトを、説得力豊かなディテールで描くことにことのほか力を入れているのが、素晴らしい。
だけど、ちょっと優等生すぎるストーリーラインが物足りない・・・とか言っているのは、ケガレた心の証拠ですねえ。