■精霊の守り人08刀鍛冶s櫻井圭記神山健治c&d新留俊哉g後藤隆幸

◇12話遅れぐらい?
◆素晴らしい。今までで一番面白かった。
◆人物の動きが無く、刀鍛冶師匠を軸とした対話だけで話をすすめるという寡黙にストイックな潔い演出のもと、命のかかった緊張と、相互理解の緩和というメリハリ効いた状況を生み出して、相当なカタルシスを味あわせてくれる手管はさすがでした。


◇また、バルサの不自然に倫理的な人物造形についての肉付けエピソードの提示の仕方としてもなかなか捻ってあって良くできています。


◆さて、何よりも頑固で物静かで理知的な刀鍛冶師匠の造形が絶品。キャラクターデザイン、声優、表情演出いずれも素晴らしい。


◇彼の人格に振り回される敵と味方。
視聴者である我々は、彼の人間性もなにも分からない状況で、「再現劇」無しの彼のモノローグが主人公達の生殺与奪を握る様に、固唾をのむわけです。


その「語り」が物語を支配する様は、どうにも行き先不明で、緊張とやがてやってくる緩和のメリハリがとても心地よかった。


◇また、「バルサについての匿名の評価」と、「刀鍛冶のポリシィ」とが結節するところに発生している「間接的に主人公を称揚する作劇」も、押しつけがましくなく決まっていて、カタルシスが素晴らしい。
そこに、主人公の倫理性の動機である過去の因縁を盛り込んで、物語の背景明かしも結構感動的。


◇第3話のラストで、バルサが力尽きて倒れ伏しているところで幻視した偉丈夫同士の闘争の説明がやっとつきました。倒した男が、倒された男を前に泣いていたのはそーゆーことだったのか。


◆◆以下メモ◆◆
・しかし、暗殺集団のお頭は不用意だよ。刀鍛冶師匠の語りに感動して、(抽象化しているとはいえ)重要機密を漏らすとは・・・