■DARKER THAN BLACK -黒の契約者-13銀色の夜、こころは水面に揺れることなく…(前編)s大西信介cもりたけしd安斎剛文g高橋久美子

一話遅れ。
◆主人公ヘイのチームを調査する敵対組織の動きがある。その動きの中、<ドールの観測霊>を捕獲する能力を持つ契約者に捕獲されそうになり、ショックで茫然とし街を彷徨う銀(イン)を中心に話が展開されます。


インを追うのは、3組。ヘイのチームを探る二人の敵対契約者と、行方不明のインを探すヘイ達、そして、普通の感情を持つ人間だった頃のかってのインのピアノの先生が絡んできます。(インの先生は、例の探偵と助手付き・・・)


◇このピアノの師匠、アバン冒頭とBパート冒頭に配置された、感情を持つ普通の子供だった(しかし盲目の)インの月光下でのピアノの演奏のエピソードで、インにママと呼ばれる女性と怪しい雰囲気で、これが次回に物語をつなげていくのかな。
#ところで、このシーン。誰の回想なのかしらって一瞬思ったけど、インの感情に直結する「思い出の残滓」って位置づけだと思ってみました。


◇後編が、インが感情を失うエピソードだったり、感情がないはずのインに人間的な情動が訪れる話だったりすると、ワタシの物語ごころが燃えるのだけど。



◆ラスト、敵対契約者を捕捉し損ね、インの行方も見失った黒(ヘイ)と猫(マオ)に、ホァン(鳥打ち帽のおっさん)が、インを殺害するように迫る。仲間じゃないかと取りなすマオを、ホァンは、仲間扱いなどカンベンしてくれと吐き捨てる。
「心配するな。一緒だなんて思っちゃいない。惨めにびくびく怯えて・・・・そんなみっともない感情を、俺たち契約者は持ち合わせちゃいない・・・・幸いな。」(ヘイ)


◆ところで、探偵と助手が再登場。相変わらずのギャグ調でなごむけれども、このシリーズにあんまり付き合っていると終いに殺されちゃうような・・・・



◆◆以下メモ◆◆
===========================
・この回には、詩作を能力発現の対価とする契約者、タバコをむさぼり食うことを対価とする契約者が登場。
・全体、契約者ってなんなんだ。これまでも靴を裏返しにすることを対価にしたり、ページを折りつつ読書し続けたり、小石を並べたりする神経症的な、しかし、かるーい対価の契約者がいる一方、指を折ったりすることが対価だったり、血を流したり、子供の生き血をすすることが対価だったり、非常にヘビーな対価もあったりと、まったく脈絡がない気が・・・・


・これを説明するにはきっとただ一つ。なんらかの共通の心理的な要因から対価が決まるってのはどうでしょう。
たとえば、その人に何らかのネガティブな感情を引き起こすトラウマ的な行為が契約の対価になるって感じでどーでしょうか。結果、神経症的な<対価>の発現が引き起こされると。


たとえば、この回で言うと、詩作しそうもない男が詩作をし、ノドが大事な歌手がタバコを対価とする。少し前にさかのぼれば、ノベンバー11は、タバコが嫌いなのにタバコが対価だったり、ハボックさんは、子供の生き血をすする自分自身を嫌悪していたり。・・・・と並べると、なんかそんな気がしてくるでしょ。・・・ワタシだけですか?


===========================
・冒頭、銀(イン)にママと呼ばれていた人は、前回ラストシーンで高い建物の展望台から夜の街を見下ろしていた野球帽の人と同一人物?見返したら目の色が違っていたけど・・・


===========================
・これまでもしばしば描写されてきた電柱を巡っている鬼火みたいなものが、警視庁配下の国立天文台が保護している「ドール」から放った「観測霊」と呼ばれるものだと、初めて明示されています。