■電脳コイル04大黒市黒客クラブs磯光雄c笹木信作d安川勝g根津匡覧

◇この回も素晴らしい。特に、Aパート終盤からの悪ガキ男子達対イサコ、フミエ対イサコの電脳二連戦がヨカッタ。
電脳戦を、爆竹や花火での戦争ごっこに見立てた演出。その中で一人シリアスなイサコの緊迫感と次第に醸し出されてくる余裕、男子連中のユーモラスなダメさの対比が、緩急ついていてよかったんじゃないでしょうか。
悪ガキ男子が、いじめ的行動をとっているので、カタルシス的にもばっちり。


◆さて、この回は、フミエとヤサコと同じ教室に転校してきた無愛想なイサコにちょっかいをだす、ガキ大将やフミエ達の話。
偶然ヤサコと同じ教室に転校してくるのは愛嬌としても(それとも何か伏線があるのかしら)、転校生に興味津々でちょっかいを出す悪ガキ男子が、「昔の悪ガキ」のイメージのとーり、アタマ悪くて愛らしくてすごくヨカッタ。
小学生男子は、このぐらい薄汚れてアタマが悪くなくちゃいけないな。


◇しかし、電脳化された悪ガキともなると、キーボードでコマンド打ちながら、インテリジェンス溢れる表情でスマートに現場に出ないカンジがするけど、この作品と来たら、電脳アイテムは、「花火」や「爆竹」同然の存在感で、秘密基地に模した教室にこもって、完全に戦争ごっこのイメージ。
一応電脳戦らしくもあるが、イサコの凄腕ぶりに刀折れ矢尽きると、爆竹を持って肉弾で理科室に突入・・・・・まあ、ボコボコにやられるのですが、結局最後は腕力かよとゆーこの情けなさが、ツボでした。


◆ところで、この世界の電脳戦での敗者は、仮想世界への扉であるメガネのソフトウェアの破壊。お年玉2年分だそーで、敗北した男子がその喪失を嘆く様は微笑ましい。


◇しかし、電脳戦が、どーしても「小学生同士のリアルな戦争」に見えてしまうので、結構剣呑に感じてしまうのも事実。
この世界では、現実と仮想の区別がつかなくなって、どーにかなってしまう子供が多そうだなあとか、余計な事を思ってしまいました。


そして、それは、前回書いたようなのっぱらで走り回る快感とはやっぱり根本的に別のものかもしれないなとも思った。演出のモチーフは、「夕暮れまで走り回る快感」なんだろうけれども、映像として表現されると別の何かが姿を現す・・・そんなカンジでしょうか。


◆◆以下メモ◆◆
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・冒頭ヤサコのナレーション
「ネットの噂によると、数年前にある暗号屋が空間を破壊しようとしたそうです。・・でも、その暗号屋がどうなったか、誰も知りません。」


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・ケリコ・・・じゃなかったフミエとヤサコの暗号屋についての会話。
「(イサコの出身が)金沢ってことは、アイツの親もメガネ会社のヒトかしらねえ」(フミエ)
「(・・・)でも、金沢には暗号屋なんていなかったわよ。」(ヤサコ)
「暗号屋にはいろんな都市伝説があって、正体や目的が良く分からないのよ。」(フミエ)
「メタバグを集めるのが目的じゃない?」(ヤサコ)
「それが、噂では空間から取り出すのは、メタバグだけじゃあ無いの。」(フミエ)
「何を取り出すの?」(ヤサコ)
「さあ・・そうねぇ・・・例えばミチコさんよ。(・・・)ミチコさんを呼び出して契約すると何でも願い事を叶えてくれるんだってさ。テストの成績があがるとか、家が急にお金持ちになるとか。」(フミエ)


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・授業中の嫌がらせバナー攻撃でイサコに敗北した男子達が、彼女について話し合う。
「それにしても、アイツ、ぜんっぜん手をうごかさなかったすね。」(男子その1)
「(・・・)もしかしたら、イマーゴっていう隠し機能かもしれないぞ。(・・・)メガネには公開されてない機能があってな、それがイマーゴだ。(・・・)なんだか不具合が出てな、使用禁止になったらしい。それをメーカーがひた隠しにしているって噂だ。」(男子その2)


・場面変わって、フミエのセリフに接続。
「それがね、アタマで考えただけでメガネを操作できるって機能らしいのよ。(・・・)あの子、その機能にアクセス出来る機能をどこかで手に入れたのかも。」(フミエ)


・電脳メガネには、脳波を読み取るインターフェイスがあるってことでしょうか。そもそも、演出的には、「脳に仮想空間を現実と錯覚させる働きかけ」をメガネはしていないとオカシイので、脳との入出力インターフェイスは物語上、必須な気がする。


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・下駄箱で、イサコに友達になろうと、語りかけるヤサコ。しかし拒絶されて。
「当てて上げようか・・・あなた、前の学校で何かトラブルをおこしたんじゃない?(・・・)・・・いじめ?」
「図星のようね、いじめていたのか、いじめられていたのか、・・・それがバレないように演技していたんでしょう?この街では心機一転、上手いことデビューしようって。・・他はだませても、私の目はごまかせないわ。大丈夫、あなたの秘密は誰にも言わないわ。」
・ヤサコは俯いて、何も言えない・・・・


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・悪ガキ男子よりも電脳的に上手のフミエ。しかしイサコ相手には劣勢で、メガばあより託された強力な発禁メタタグ3枚をつかって、どうにか引き分けに持ち込む。
・抜いたイサコについての情報をメガばあに持ち込むが、データが壊れていて、読めない。
・かろうじて「ミチコへの・・・・」という文字が読めるようですよ。