■スカルマン01仮面が踊る街s出渕裕cもりたけしd寺東克己g柴田淳

一話遅れ。
◇もりたけし監督、シリーズ構成 出渕裕BONES製作。
◇素晴らしい!危うく今期最もワタシ好みの作品を見損ねるところでした。ああ、先週気が付いて録画できてヨカッタ。
◇この作品、どうやら、北海道を何者かに切り取られ(まだ明示されて無いけど、劇中で一瞬見えるスローガン「北海道ヲ返還セヨ」)、津軽紛争という戦争を経由したあとの、戦時体制の残る「別の日本」が舞台らしいのだけど、なにより素晴らしいのが、背景や小物、人物風俗の目もくらむような日本レトロ感の混交。


◇政治体制や右からの日本語表記や電車塗装などは<戦前〜戦中風味>、人物たちの風体や、コンクリアパートの内部や駅やタバコ屋などの建造物、電車の内装やモノレール、黄色公衆電話や大きなポケベル(調べたらサービス開始は、1968ですって。)、瓶を引き出すコーラの自動販売機などは<高度経済成長期的な昭和風味>で、「見たことがあるような気がする」見たことがない世界が、リアリティのある美術とこだわりの小物表現で、演出されています。


◇また、人物の仕草作画の丁寧で素晴らしいこと。
特にヨカッタのが、Aパートの新聞社デスクと、主人公の”トップ屋(この呼び方も昭和的だ)”御子神隼人の対話のところ。無理を言うハヤトに顔をしかめて生き生きと身振り手振りをする新聞社デスクにシビレました(オヤジだけどね。)。ハヤトの大袈裟な仕草もヨカッタ。
あと、Bパート最後の、超人的な力を発揮する怯えた男がへっぴり腰で浮くように逃げるところも、「足が地に着かない」感がとっても良くでていました。


◇話は、御子神が、「経済の要である大伴市で続発する殺人事件」と、「ドクロ男の噂」の関係をさぐりに、故郷大伴市へ潜入。彼が、深夜買い物に出て、怪力で突き飛ばされた男の後をつけていくと、男がドクロ男に殺されるのを目撃する・・・というカンジ。未だ序盤で何とも言えない。


御子神に強引に同行する、鳥打ち帽の石ノ森ヒロインも、半裸で飛び上がって恥じらったり、半裸で御子柴を足蹴にしたりしていて、サービスあり。押しかけ女房キャラで、これもタイヘンいいかも。


◆◆以下メモ◆◆
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・冒頭テレビのアナウンサー
「国体護持を確かなものにしつつ、戦後を迎えた我が国とはいえ、危機が去ったわけではありません。軍事、医療による複合体の抜本的成長を黙認することは、将来の・・・・」


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・デスクを説得して、殺人事件が相次ぐ大伴市のターミナル駅に汽車で到着した主人公。大伴市への入市許可証を持たずに強行突破しようとした男が、将校に射殺される様子をみて、謎の老人が解説する。
「あのモールの色、参謀本部付きですよ。また、津軽海峡がきな臭くなっているって話ですから。さしずめ、軍人さんの大伴参りってとこでしょうな。」


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・大伴警察署には、御子神について、上からの指示が。
「トップ屋?ただのチンピラじゃないですか。」
「監視しろとの上からのお達しだ。わしもよくは知らん。」


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・無理矢理同行する間宮霧子が、御子神隼人に、大伴市について解説。
「それにしても、変わった街だよね。・・津軽紛争以降のこの国を支えた経済再生工場。そして、大伴グループの企業城下町。・・知ってる?この街が影の首都、なんて呼ばれる前は、神楽って小さな村だったんだって。」(間宮霧子)
「村はここじゃない。・・ほらあそこ。・・ダムの底だよ。」


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・ハヤトの父親の墓で遭遇した、ハヤトの叔父黒潮豪蔵は、軍も一目置く大伴製薬株式会社の社長で、彼の身元引受人。
・七年前に死んだハヤトの父親の親友だったらしい。


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スカルマンが、男を殺す前に呟く。
「見よ、かの如く、昼は我が手足が、夜は我が心が、静謐を奪われる・・・汝が為に、そして我が思いの為に。」