■地球へ…03アタラクシアs面出明美cつるやまおさむd小林浩輔g渡辺伸弘

◇えーい、ジョミーくん、ママ、ママ、うるさいっ。
一挙に転落したとはいえ、これまでの彼の生育環境は、家族、友人関係、社会的な地位までひっくるめて、フツーに恵まれすぎです。
管理社会ものでは、人間的に何かが欠落した社会制度が描かれることが多いような気がするのだけど、(ミューの排除と、成人検査以外には)余りにも満ち足りたフツーの世界が描かれていて物足りない気が・・・・。


欠損を抱えた複雑な仕組みの世界を描く為に、主人公に「満たされた出自」と「そこからの転落」を求めているのだとは思うのだけどさ。


◇しかし、(物語全体から見て求められる属性だとしても)このままでは深みがないので、「理想社会の正規の構成員」から、「明日をも知れぬ「欠損」を抱えたアウトサイダー」へ、跳躍さながらに、ジョミーが自分の属性を変換させるのを如何に説得力をもって描写するかが勝負。


この回は、「悪の管理社会」を演出して、幸せな過去への未練を断ち切るための布石としてのエピソード。次回以降、どこまで幸せな自分を相対化できるかな。