■DARKER THAN BLACK -黒の契約者-03新星は東雲の空に煌めく…s野村祐一c石平信司d金子伸吾g工藤裕加

◇どうやら、新しい<契約者>が誕生する仕組みを、家庭的に孤独な女子中学生の心情に重ねて描く話の前編。
冒頭に描かれた、ヘルズゲート調査隊の唯一の生き残りである研究者の父親が10年前に見た「高い壁」の向こうの惨劇が、どう作中現在の彼女のドラマに接続するのかが、後編の腕の見せ所でしょうか。


◇ところで、主人公ヘイの善人モードが、孤独に耐えられずに深夜繁華街を徘徊する彼女に構ったり、彼女に深夜の遊園地のきらめきを見せたり、始発前の線路を歩いて、すっかりうち解けた様になるあたりは、ちょいと、(個人的には)定型がハナについてしまいましたが、好きな人には好きな状況なんじゃないかしら。


そんな中で、彼女の不在の父親に対する疎ましさとそれと相反する希求の気持ちが、良く動く表情の作画に上手く演出されていたと思いました。この辺が、この回の見どころでしょうか。


◇あと、Aパート前半の、主人公ヘイが食事を作ったり洗濯物干したり挨拶したり、下町のボロアパートでの暮らしの淡々とした断章や、朝、電車の駅までの高架の線路に沿ってぞろぞろと通勤していくヒトビトの丁寧な描写が、個人的には、ツボ。


◆◆以下メモ◆◆
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・10年前、壁の向こう側に、紫の花がばらまく種子を目撃する研究者の父親
・その花は、現在、彼の手元にある。


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・その発光する粒子が、女子中学生の左手の付け根に取り憑いているみたい。その光りが消える時に、彼女は意識を失い、別の人格が活動する様子。


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・町工場に相談役としてつとめる父親は、何らかの組織に協力を要請されているが、断っている。
・その組織が、協力を強要するために娘の誘拐を企図。
・彼女は組織に追いつめられて、意識を失い・・・・・・・・。次回。